Q1 労働者を雇う際、必ず書面で労働契約を結ばなければいけませんか

2015年10月14日

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Q1 労働者を雇う際、必ず書面で労働契約を結ばなければいけませんか

2015年10月14日

A1 必ずしも書面である必要はありません。ただ、書面で労働契約を結ぶほうが利点が多くあります

書面がなくても労働契約は合意だけでも成立する

契約の成立には、当事者の合意だけで成立する諾成主義と、書面等の一定の方式を踏まなければ成立しないけい形式主義の2つの考えがあります。

日本は契約に対して前者の諾成主義をとっています。

たとえば、ものの売買をするとき、形式主義だと八百屋で人参買うのにも(今どき八百屋もなかなか見かけませんが)いちいち契約書が必要となるので、それはさすがに大変なので、そういうことはしないということです。

そして、労働契約も契約です。

よって、当事者の合意さえあれば労働契約を締結する際に、必ずしも書面で結ぶ必要はないわけです。

 

書面で労働契約を結ぶと「言った、言わない」がなくなる

ただ、書面のない契約、つまりは口約束には「言った、言わない」が付きものです。

八百屋で人参を買うのに「言った、言わない」が問題になることはほぼありませんが、労働契約だとそうはいきません。

例えば、「賞与を払う」と言った言ってない、「最初は契約社員だけどすぐに正社員にする」と言った言ってない、といった感じで、書面がないことでトラブルになり得る事項が労働契約には山のようにあります。

こうした言った言わないのトラブルを避けるには、書面で労働条件についてお互いに確認し、その上で契約を交わすしかないのです。

 

法律上の「労働契約と書面」の扱い

ちなみに、労働契約法においては「労動者および使用者は労働契約の内容についてできる限り書面により確認するものとする」とあります。

また、労働基準法では、労働契約締結時に書面の交付により労動者に対して明示が義務付けられている事項が存在する点に注意が必要です(詳しくはQ2を)。

 

労働契約についてのQ&A

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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