労働関連法令改正

職業安定法関連の省令が改正されました[施行は令和6年4月]

2023年6月29日

今回は、職業安定法関連の省令改正について解説します。

職業安定法とは、求人や人材紹介に関することが定められた法律です。

今回の省令改正は、職業紹介を行う事業者に対するものが中心ですが、一部、それ以外の一般の会社にも関係するものがあるので、念のため押さえておく必要があります。

 

① 求職者等に明示しなければならない事項

現行の明示事項

職業安定法では、職業紹介、労働者の募集等を行う事業者が、職業紹介や労働者の募集等をするに当たり、求職者や労働者になろうとする者に対し、以下の業務の内容等の労働条件を明示しなければならないとしています。

  • 従事すべき業務の内容
  • 労働契約の期間
  • 試用期間
  • 就業の場所
  • 始業・終業時刻等
  • 賃金
  • 社会保険等の適用
  • 使用者の名称
  • 派遣労働者である場合はその旨
  • 受動喫煙防止措置

今回追加される明示事項

今回の省令改正では、上記に加えm職業紹介、労働者の募集等を行う事業者が、求職者等に明示しなければならない事項に以下の事項が追加されます。

  • 就業の場所の変更の範囲
  • 従事すべき業務の変更の範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)

見てわかる通り、上記の内容は、過去の記事で解説した労働基準法関連の省令改正により、労働者への労働条件の明示事項に追加されたものです。

つまり、会社は、ハローワークや職業紹介事業者等を通じて求人をする場合も、上記の労働条件の明示を行う必要があるわけです。

 

② インターネット等を通じての情報提供

有料職業紹介事業者の手数料表、返戻金制度に関する事項を記載した書面及び業務の運営に関する規程については、その明示が事業者に義務づけられています。

ただ、その方法は、これまでは「事業所内の一般の閲覧に便利な場所」に掲示によることとされていました。

しかし、インターネットの普及等により、求職者等の利用者からすると、事業所内への掲示以外の方法でも利便性が損なわれない状況になっていることを鑑み、今回の改正では、インターネット等によっても情報の提供でも行うことができるとされました。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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