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社会保険

社会保険の適用拡大に伴う週所定労働時間20時間の要件と、変形労働時間制の話

2016/07/26

このブログでは、過去何度も、今年10月より施行される社会保険の適用拡大について書いてきました。

ただ、今までは主に106万円の壁(月額8.8万円の壁)についてがメインでしたが、今回は労働時間について書いていこうと思います。

まずはおさらいですが、平成28年10月1日以降、以下のすべての条件をみたす場合、社会保険に加入する必要があります。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
  3. 1年以上継続して雇用される見込みがある
  4. 従業員501人以上の企業(従業員の数に含めるのは現行の被保険者)
  5. 学生でない

 

すべての条件を満たす必要があるので、106万円の壁にビクビクな方も、週の労働時間を20時間未満に抑えれば大丈夫なわけです。

ただ、今回は106万円の壁は置いておきます。今日の主題は1の「1週間の所定労働時間が20時間以上」の方なので。

 

変形労働時間制を採用している場合は注意

普通に週休2日の事業所であれば、この条項、特に気にする必要は無いのですが、例えば、1年単位の変形労働時間制や1ヶ月単位の変形労働時間制を採用している場合、土曜日に出勤することもあると思います。

で、週の労働日数が週によって5日になったり6日になったりすると、当然、週によって労働時間が20時間で収まったり、20時間以上になったりしてしまいます。

そのため、変形労働時間制を採用する事業場では、週の所定労働時間が20時間以上かどうかの判断のためにちょっとした計算をしないといけません。

 

1年単位の変形労働時間制を採用する場合

1年間の所定労働時間を52で割って計算します。52というのは1年間を週に直したもの。

1年間の所定労働時間を52で割ると、その年の1週間の平均所定労働時間が出るので、それが20時間以上か未満かで見るわけです。例えば、1年の所定労働時間が2080時間の場合、これを52で割ると週の所定労働時間は40時間となります。

なので、1年単位の変形労働時間制の場合、20時間を超えるかどうかのボーダーラインは1年間の所定労働時間が1040時間以上となるか未満となるか、で見ないといけません。

 

1ヶ月単位の労働時間制を採用する場合

1ヶ月の所定労働時間を12分の52で割って計算します。

12分の52ってなんだって話ですが、1ヶ月の所定労働時間に12をかけると、年間の労働時間が出ますよね。それを1年を週に直した52週で割ると、年間で見た場合の、週の平均的な所定労働時間を算出することができます。

例えば、週の所定労働時間が168時間の場合、168に12をかけると2016。これを52で割ると約38.8時間になり、これが社会保険加入の条件を満たすかどうかの判断をする際の、週の所定労働時間となります。

で、上記の式を20時間を超えないよう逆算してみると、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合のボーダーラインは86時間となります。87時間だと上記の計算で20時間を超えてしまいます。

まあ、厳密に言うと、86時間40分まではギリギリ大丈夫ですが、多少の余裕は見ておいたほうがよいと思い、86時間としました。

 

まとめ

というわけで、1年単位の変形労働時間制を採用する場合は年の所定労働時間を1040時間未満、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合は、1ヶ月の所定労働時間を86時間以下に抑えると、社会保険に加入する必要はなくなります。

ただし、週の所定労働時間が20時間未満だと、社会保険に加入できないのはもちろんのこと、雇用保険にも加入できなくなるので注意が必要です。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。