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雇用保険

会社にとっても従業員にとってもベストな従業員の退職日とは?

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会社をやめる理由は人それぞれで、その会社の業種や企業風土によっても様々。円満退職の場合もあれば、ドロドロお重めな場合もあるわけですが、そうした理由はさておき、そもそも、会社を辞める日、辞められる日にベストな日、というのはあるのでしょうか。

今回の記事では、雇用保険と社会保険の観点から見ていきたいと思います(税務のことは専門範囲外なのでスルー)。

 

従業員が会社を辞める代表的な日

従業員が会社を辞める時の代表的な退職日は以下の3つです。

  1. 月末
  2. 賃金締切日
  3. その他

上記の1,2が退職日となる場合、基本的に、会社がその日を退職日として指定しています。実質的な退職日は他の日であっても、月末や賃金締切日までは在籍していることにするわけです(ただし、会社と退職者のあいだできちんとその辺の意思疎通をしておかないと、退職者が次の会社に移った際に、社会保険と雇用保険の二重加入が発生する可能性があるので注意が必要)。

 

気をつけるべき社会保険の資格喪失日の考え方

社会保険で勘違いしやすいのが、資格の喪失日です。

資格の取得日は、会社に入ったその日なのでわかりやすいのですが、資格の喪失は、退職した日の翌日が資格喪失日となります。

  • 資格取得日→入社日
  • 資格喪失日→退職日の翌日

では、雇用保険はどうなのか、というと、資格取得に関しては社会保険と同様ですが、資格の喪失については、そもそも資格喪失日という考えがあまりなく(そもそも雇用保険法の本文には資格喪失日という言葉がどこにもない)、基本的に離職日を基準に物事を考えます。

一応、実務上は社会保険と同様に離職日の翌日を資格喪失日と考えるようですが、資格喪失日基準で失業保険の給付等の手続きは行わないので、退職日=離職日と考え、離職日だけ気にしておけば良いことになっています。

そもそも、辞める側の視点で言うと、離職日の違いによる損得はほぼほぼないので、退職時に考えるべきことはありません。

 

退職日で変わる社会保険料の対象月

よって、退職時に考えるべきは社会保険なのですが、退職日の翌日が資格喪失日になるということは、月末に従業員が退職するとその喪失日は翌月の1日になることを意味します。

これが曲者で、社会保険の保険料の徴収は法律上、資格喪失日の属する月の前月まで行うと決まっているからです。

どういうことかというと、3月30日で退職した従業員の場合、資格喪失日は3月30日になるので、社会保険料は2月分までしかかかりませんが、3月31日に会社を辞めた従業員の場合、4月1日が資格喪失日になるので、社会保険料は3月分までかかります。

  • 3月30日退職→資格喪失日は3月31日→社会保険料は2月分まで
  • 3月31日退職→資格喪失日は4月1日→社会保険料は3月分まで

 

辞める側の視点で考えると、社会保険料がかかる、ということは、その月まで年金額のもととなる期間になる、ということなので、どちらが特でどちらが損、とは一概にはいえません。また、3月30日退職の場合でも、翌日に他の会社に入社しない場合、3月については国民年金に加入してその保険料を支払わないといけないので注意が必要です。

 

一方、会社の側から考えると、辞めた人数分、一月の社会保険料が節約できることになります。よって、月末退職を嫌がる会社も多い、ということはあまりなく、実際には会社の方が従業員の退職日を月末にしていることは少なくありません。

なぜかといえば、賃金締切日が月末のところが少なくないから。そして、実務上は賃金締切日で従業員の退職日とすることが多いので、月末退職の人も多くなるわけです。

 

結局は賃金締切日に落ち着く

会社にとっても従業員にとってもベストな退職日を探る意図で書いている今回の記事ですが、結局、賃金締切日が一番問題がないというか、面倒がないのが実際のところ。

なぜかというと、賃金締切日以外で会社を辞めると、給与計算が煩雑になるし、雇用保険で提出する離職票の記載内容も煩雑になります。そうした事務手続きの手間も考えて、月末締めの会社が、社会保険料惜しさに従業員の退職日をズラすということもあまりしないわけです。

どうしても、社会保険料が気になるのであれば、月末退職は労使双方避けたほうが良いかもしれませんが、基本的には賃金締切日を退職日とするのが良いのではないでしょうか。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。