労働保険・社会保険制度の解説

「元号」と「西暦」、手続き業務で使うのはどっち?

2016年12月15日

時間がなかったので(というか、年末まで基本ないので、更新は不定期濃厚)、今日は豆知識的な話。

事務手続きをしていると「日付」を書くことが多いです。

誕生日を書くときはもちろん、雇用保険の取得の年月日であったり、社会保険の喪失の年月日だったり、他にも育児休業をいつから取って、いつに終わったみたいない場合もそうですね。

で、このような場合、いちばん大事なのは「日」なので、ほとんどの方はあまり意識していないかもしれませんが、こうした書類で「年」を書くとき、「西暦」ではなく、ほぼ必ず「元号」を用います。

 

強制ではないものの役所の書式は元号前提

「必ず」とか「強制」というわけではありませんが、公的な文書ではほぼ元号を用います。

これに法的根拠があるかというと、結構怪しいのですが(元号法という法律はあるものの、元号を使えとは書いていない)、役所の書式がそうなってるんだからしょうがない。

例えば、雇用保険の書類の場合、元号は「2・大正」「3・昭和」「4・平成」というように、元号に照らし合わせた番号を書くよう用紙がそうなっているし、

同様に社会保険の書類の場合も「1・明治」「3・大正」「5・昭和」「7・平成」と、雇用保険と若干違いますが、こちらも番号を使うことを強いる用紙となっています。

法律や通達では「強制ではない」とはいいつつ、申請の書式書類上は元号で統一されているわけです。

まあ、統一されているほうが混乱なくていいと思いますが、

ただ、このような仕事をしていて、元号と西暦が混在しているとちょっと困るのは、入社手続きを行う際の履歴書。

雇用保険にしろ社会保険にしろ加入手続きの際には誕生日を書かないといけないのですが、人によって履歴書によって、元号で書かれている場合と西暦で書かれている場合がバラバラ(汗)。

1人、2人の手続きをする分にはいいですが、4月とか両手で収まらない数の手続きをするときはかなり混乱します。一応、あらかじめ書き直したり、エクセル組んだりして、間違えないように工夫はしますけどね。

 

元号が変わるのは…

ちなみに元号法によると元号が変わるのは

第二項:元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める

とあるので、今年、大きな話題を呼んだ天皇陛下の生前退位ですが、その意向が通った場合も元号の変更は行われるというわけです。

そうなると、役所の書類の書式がまた変わる…、となるので、西暦に統一してもいいんでないの? と思わなくもありません。

というか、早くマイナンバーカード使って、そもそも書いたり入力したりすることすらなくなればいいと思ってますが。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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