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労働基準監督署 賃金

必ず覚えておきたい「未払い賃金」と「不払い賃金」の違い

2017/02/02

昨日の記事ですが、

平成27年度の監督署の不払い残業の是正指導結果を解析する記事

労働者に支払われていない残業代のことを一貫して「不払い」割増賃金と記載しています。

これは、ソースである厚生労働省の資料がそうなっていたからそちらに統一したからですが、おそらくよく使われるのは「未払い」割増賃金の方かと思われます。

わたしも普段は「不払い」という言葉はほぼ使いません。

(事実、サイト内検索で「不払い」と検索したら「不払い」をつかってるのは4記事しかなく、うち3記事は引用だった)

これ、何か違うのかというと大違いです。

先に言っておきますが、会社の方はあまり大きな声で「不払い」割増賃金とか「不払い」残業とは言わない方がいいです。

 

故意か否か

で、「未払い」と「不払い」でなにが大きく違うのかというと、支払う側がその事実を知っているかどうかです。

「未払い」とは、支払う側がその支払い義務があることに気付いてないため支払われていない状態です。気づいてないから「未だ払ってない」わけです。

一方、「不払い」とは、支払う側がその支払い義務があることに気付いてるにもかかわらず、支払われていない状態です。気付いてるけど「払う気がない」のが不払い。

例えば、割増賃金を15分単位で支払っていた場合。本来であれば1分単位で支払うべきものなので違法、支払われていない賃金がある状態です。

こうした事実を会社がしらずに15分単位で支払っていた場合は「未払い」、知っていたにも関わらず15分単位で支払っていなかった場合は「不払い」ということになります。

「未払い」と「不払い」、どちらの方が悪いかは言わずもがな、でしょう。

何より、故意か否か、という話につながります。

刑法38条1項 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りではない。

 

「未払い」を勝手に「不払い」とされないために

なので、監督署の調査で例えば指導票で支払われていなかった賃金のことを「未払い」と書かれているか、「不払い」と書かれているかは、意外と重要だったりします。

会社としてはよく知らなくて「未払い」となっていたのに、「不払い」と書かれてしまっては勝手に故意の法違反とされてしまうことになるからです。

特に監督官がそのあたり不勉強で、特に区別せずに「不払い」とか書かれていた日には、きちんと抗議したほうがいいレベルです(あくまで、本当に「未払い」なら、ですが)。

なにより、会社が「不払い賃金」と言ってしまうと、「払うつもりのない賃金」ということになってしまいますからね。

 

というわけで、この記事を読んでしまった以上は1分単位の残業代について「不払い」を「未払い」と言い張るのは難しいと思うので(笑)、「不払い」となっているものをはなるべく早く精算し、他に「未払い」となっているものがないかきちんと確認したほうが良いでしょう。

 

今日のあとがき

法律が関わる場面では言葉が非常に重要ですが、憲法も民法も受験科目に含まれない社労士って、労働用語に関しては細かくても、それ以外って結構ファジー(曖昧)なことが多いので、気をつけないといけないなあと思いますね。

最後余談ですが、昨日届いた椅子はこんな感じになりました。

以前使ってたものの背もたれが折れかかっていたので思い切って買ってみましたが、かなりいい感じ。

150°リクライニングするだけあって、背もたれの安心感が半端ないほか、背もたれにより掛かるだけで、自然と楽な姿勢になる感じがします。まあ、3万かけたことによるプラシーボ効果かもしれませんが。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。