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労務管理

会社って社長が勝手に休みにしていいの? 休業手当って?

2017/06/13

今日書こうと思ってたテーマについて盛大に勘違いしていて、ほぼ完成形まで書いた記事を1つ没にしました社労士の川嶋です。

そんな日でもブログを毎日更新せねばということで、今日の話題は軽く書けそうなこちら。

先日、Twitterで以下のツイートがとんでもなくRTされていました。

このバーグハンバーグバーグという会社は、実は去年も同じような理由で6月のとある1日を会社の休日にしていました(そのときは「歯を磨かない」という縛りはありませんでしたが)。

この1ツイートだけで面白そうな(ぶっとんだ)会社だなあと思うと思いますが、実際、その手のブログ記事を書かせたら右に出るものはいないくらいレベルが高いです。

で、会社が休みになって嬉しいと思う人は多いでしょうが、一方で、会社が休みになるとその日の分の給与が発生しないことになり、労働者側も困る可能性があります。

では、会社というのは、経営者が勝手に休みにしていいものなのでしょうか。

 

労働日を休業日に変えるなら

結論から言うと、休みにするのは構わないけれど、その分のお金は払いなよ、というのが法律上の決まりです。

労働基準法上、会社の都合により労働日を休業にする場合、労働者に対して「休業手当」を支払う義務が発生するからです。

休業手当の額は平均賃金(※)の60%以上です。

 

ここからは少しテクニカルな話になりますが、実は60%以上の休業手当を支払っても労働基準法上の義務は果たせても、民法上の請求権がなくなるわけではありません。

民法第526条(債務者の危険負担等)第2項

債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

ここでいう、債権者とは会社、債務者とは労働者と読み替えてください。

つまり、会社に責任がある場合、労働者は給与をもらう権利は失わない、と言っているわけです。

労働基準法の休業手当の60%の規定は、この民法の規定の最低限度みたいなもの。

なので、60%を支払ったことによってこの規定が使えなくなるということもないし、「60%じゃだめ、100%払え」と言う権利が労働者からなくなるわけではないのです。

※ 平均賃金の計算方法は「算定事由発生以前3ヶ月間の賃金の総額÷算定事由発生以前3ヶ月間の総日数」。つまり、過去3ヶ月の賃金を平均して日に換算したもの。

 

60%は監督署、100%は裁判所

じゃあ、なんのための休業手当なの? という話になりますが、これは休業手当の60%は監督署の守備範囲、100%は裁判所の守備範囲と考えてください。

つまり、60%支払わないと労働基準法違反なので監督署の取り締まりにあうし、払っていないと是正勧告も受けることになります。

また、労働者側から見ても監督署への申告は、裁判に訴えるよりもハードルは低いと考えられます。

でも、60%以上きちんと払っていれば、労働基準法をきちんと守ってることになるのでそうした問題にはなりません。

一方、100%の方は、基本的には労働者が裁判所に訴えないといけません。

監督署に訴えても、60%以上の休業手当がきちんと支払われている以上はどうにもなりません。

また、裁判所に訴えたとしても100%の支払いが認められるかは未知数です。

というのも、「請求権がなくなるわけではない」のと「100%認められるかどうか」はまったく別問題であり、会社側の責任の度合いなどを裁判所がどう判断するかによって異なります。

 

振替休日と代休

あらかじめ休日と労働日を入れ替える振替休日に関しては、休日と労働日を入れ替えているだけなので、休業手当は発生しません。

休日労働後に入れ替える代休の場合は、休日労働分の時間外手当または休日労働手当が必要になるものの、代休日の休業手当は振替休日同様支払い義務はありません。

 

今日のあとがき

記事を没にするっていろいろ来るものがあります。

ネタが他にあるときは良いんですけど、ないときは今日帰れないんじゃないかと思うくらい。

正直、没ネタを無理矢理記事にしたくなるときもありますが、それやってまともな記事になった試しがないので、無理矢理他のネタを探すわけですが。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。