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法改正

今年(平成30年)の4月より変更される障害者の法定雇用率引き上げと、制度自体の概要を解説

今日は法改正の話。

労務管理に関する法律の施行日は例年4月や10月になることが多いですが、今年に関してはあまりありません。

とはいえ、その中でも大きいと言える改正が障害者雇用の法定雇用率の引き上げです。

結論から言うと、以下の通り、各区分で0.2%引き上げられます。

事業主区分 2018年4月1日以降 2018年3月31日まで
民間企業 2.2% 2.0%
国、地方公共団体等 2.5% 2.3%
都道府県等の教育委員会 2.4% 2.2%

これにより、障害者の雇用義務がある事業所の規模は常用雇用労働者数50人以上から45.5人以上に拡大されます。

加えて、「2018年4月1日から3年を経過する日よりも前」までに、各区分でさらに0.1%引き上げられることが現段階ですでに決定しているので、こちらについても注意が必要です(こちらの具体的な時期については、今後の労働政策審議会次第となります)。

 

法定雇用率の概要

法定雇用率が引き上げられます、で終わらせるのもあれなので、法定雇用率についてよくわからない人のために、障害者雇用と雇用率についても解説しておきましょう。

障害者を法定雇用率以上の割合で雇用すれば、法定雇用率をクリアすることになるのは、法定雇用率についてよくわからない人でも、なんとなくわかるでしょう。

そして、そのためには、会社が障害者の実雇用率が法定雇用率を超えているかが重要となるのですが、この計算方法がちょっとだけ複雑です。

なぜなら、障害者の実雇用率を算定する際には、労働者1人を労働時間によって、1人と数えたり、0.5人と数えたりするからです。

 

短時間労働者のカウント方法

具体的にいうと、障害者の法定雇用率を考える際、会社の労働者の人数を数える上で、「1人」とカウントするのは週の所定労働時間が30時間以上のものだけです。

一方、週の所定労働時間20時間以上30時間未満のものに関しては、そうした労働者1人当たり「0.5人」とカウントします(20時間未満の者についてはカウントしない)。

 

障害者のカウントに関する注意点

重度か否か(精神障害者を除く)

障害者に関しても週の所定労働時間によってカウント方法が変わります。

労働時間に関しては障害を持たない労働者と同じ考え方ですが、それに加えてさらに、身体障害者および知的障害者の場合、障害が重度の場合かそうでないかでもカウント方法が異なり、障害が重度の場合はカウントを2倍します。

よって、週所定労働時間が30時間以上で障害が重度の場合、カウントは1人当たり「2人」となるし、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満で障害が重度の場合は1人を「1人」と数えます。

上記の扱いは身体障害者および精神障害者に限られるため、精神障害者の場合は「重度」かどうかでカウントが変わるということはありません。

 

平成29年4月より始まる精神障害者である短時間労働者のカウント方法

ただし、省令の改正により今年の4月からは、一定の条件(※)を満たす精神障害者については短時間労働者であっても1人当たり1人と数えることになります。

精神障害者である短時間労働者に関するカウント方法

精神障害者である短時間労働者であって、新規雇入れから3年以内の者又は精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の者に係る雇用率のカウントにおいて、平成35年3月31日までに雇い入れられた者等については、1人をもって1人とみなすこととする。(現行は1人をもって0.5人とみなしている。)

<留意事項>
・ 退職後3年以内に、同じ事業主(※)に再雇用された場合は、特例の対象とはしない。
※ 子会社特例、関係会社特例、関係子会社特例又は特定事業主特例の適用を受けている事業主の場合は、これらの特例の適用を受けている、当該事業主以外の事業主を含む。
・ 発達障害により知的障害があると判定されていた者が、その発達障害により精神障害者保健福祉手帳を取得した場合は、判定の日を、精神保健福祉手帳取得の日とみなす。

出典:障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要(厚生労働省)

 

障害者雇用の実雇用率を実際に計算

では、最後に具体的に計算してみたいと思います。例として出す会社は以下の通り。

  • ①会社規模:従業員100人
  • ②従業員のうち週所定労働時間30時間以上のもの:80人
  • ③週所定労働時間20時間以上30時間未満の短時間労働者:20人
  • ④週所定労働時間30時間以上の障害者で障害が重度のもの:1人
  • ⑤週所定労働時間20時間以上30時間未満の障害者で障害が重度でないもの:2人

カウントは

  • ②=80人
  • ③=20人×0.5=10人
  • ④=1人×2=2人
  • ⑤=2人×0.5=1人

よって、雇用率を求める計算式は、

(2人+1人)÷(80人+10人)=0.033333・・・

この会社の障害者の実雇用率は約3.3%となります。よって、この会社は改正前改正後を問わず、実雇用率が法定雇用率を超えていることになります。

 

以上です。

特に今回の改正で障害者の雇用義務が発生した会社については、実雇用率の計算について参考にしていただければと思います。

日のあとがき

「最近ラーメン食いたいなあ」

という気持ちが、

「鬼金棒食いたいなあ」

という気持ちとほぼイコールになってます。

名駅の店舗は期間限定なので、なくなる前にできる限り擦りたい所存。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。