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働き方改革

働き方改革の基本法「労働政策総合推進法(仮)」の元となる「雇用対策法」って何?

お盆や大阪出張などで、時事ネタをこのブログで追い切れてなくて、ちょっと古い話題になりますが、今日はこちら。

働き方改革で基本法整備へ 厚労省、今秋に法案提出

政府主導の働き方改革については、労働基準法や雇用保険法など個別の法律の改正や、国の指針等の改定等によって実行される予定となっています。

で、上の記事によると、働き方改革の理念を盛り込んだ、言うなれば働き方改革の元締めとなるような法律を制定する、という話のようです。

3月の働き方改革実行計画案には、確か予定になかったはずなので、思いつき感が否めまない上、新しく法律を作って、今年の臨時国会に間に合わせるとかそんな時間あるのかよ、と思ったらどうも現行の「雇用対策法」を衣替えするようですね。

そもそもこの雇用対策法とはどのような法律なのでしょうか。

 

雇用対策法の目的

それを知るためにまずは法律の目的が書かれている第1条を見てみましょう。

第一条  この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、雇用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。
2  この法律の運用に当たつては、労働者の職業選択の自由及び事業主の雇用の管理についての自主性を尊重しなければならず、また、職業能力の開発及び向上を図り、職業を通じて自立しようとする労働者の意欲を高め、かつ、労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するように努めなければならない。

強調部分を見てわかるとおり、この法律の主体は国、地方自治体、役所など行政機関となっています。

第一章となる総則では、基本的には、第1条で上げられているような目的を達成するために、国がどう事業主に対して働きかけていくかを定めたものが中心となっています。

 

「外国人雇用状況の届出」も雇用対策法

第二章以降は以下のようになっています。

第二章 求職者及び求人者に対する指導等(第十一条―第十五条)
第三章 職業訓練等の充実(第十六条・第十七条)
第四章 職業転換給付金(第十八条―第二十三条)
第五章 事業主による再就職の援助を促進するための措置等(第二十四条―第二十七条)
第六章 外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置(第二十八条―第三十条)
第七章 国と地方公共団体との連携等(第三十一条・第三十二条)
第八章 雑則(第三十三条―第四十条)

章のタイトルからも法律名である「雇用対策」に向けたことが書いてあるんだなあ、となんとなくわかると思います。(さすがに全部は解説できないのでその辺は割愛)

この中で、人事労務担当者の方からするとなじみ深いのは、第六章の「外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置」の項目かもしれません。

この章では、事業主の義務として外国人雇用状況の届出のことが記載されています。。

「外国人雇用状況の届出」も、名前だけ聞くとパッと思い浮かばないかもしれませんが、外国人の労働者を雇った際に雇用保険の被保険者取得届に国籍や在留期間などを記載するのを思い出してもらえればと思います。

 

「働き方改革の基本法」も基本は国の行動を定めるもの

現行の法律では、雇用対策法という名の通り、「雇用対策」が中心ですが、現在出ている情報によると、以下のことに関しても法律で付け加えられる予定のようです。

  • 長時間労働の是正と生産性向上
  • 人材確保
  • 最低賃金の引上げ
  • 下請企業の取引条件の改善  etc

どのような形での付け加えになるかは不明ですが、「基本法」自体は国の重要政策の理念や方針を示すものとされているので、現行の雇用対策法の第一章のように国がどう事業主に対して働きかけていくかを定めたものが中心となるのではと予想されます。

なので、この基本法を元に労基法などが変わると考えると間接的な影響は大きい言えますが、一方でこの法律自体の直接的な影響については軽微と考えられます。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。