労務管理

労働政策審議会の各分科会及び部会の専門分野を確認&ちょい解説

2022年4月4日

今回も労働政策審議会について。

労働政策審議会、個別の問題に対応するため分科会や部会に分かれています。

じゃあ、どの分科会や部会が、何のことを決めているか、というと、そこまで把握しているのは専門家ですらなかなかいないでしょう。

一応、部会の名前から推測できるようにはなっていますが、推測が難しいものや、似たような名前が多いのがネック。

わたし自身、厚生労働省の審議会のHPを見て、この分科会って何のことを決めるところだっけってなり、手当たり次第にリンクをクリックすることもしばしば。

なので、今回は、わたし自身が整理したいのもあって、労働政策審議会の各分科会及び部会が、それぞれ何について決めているか、というのをまとめていきたいと思います。

 

1. 労働条件分科会

賃金や労働時間など、労働者の労働条件に関わる政策について検討するのが労働条件分科会です。

記憶に新しいところでは働き方改革における「年5日の有給取得義務」や「時間外労働の上限規制」などで中心的な役割を果たしました。

 

1.1. 労働条件分科会の部会

労働条件分科会の部会は以下の3つです。

労働条件分科会労災保険部会

名前の通りですね、労災に関する政策を検討する会です。

また、労働保険料によって行われている社会復帰促進等事業についてもこちらで話し合われます。

 

労働条件分科会最低賃金部会

こちらも名前の通り、最低賃金に関する部会ですが、最近ではほとんど開催されていません。

というのも、最低賃金に関しては、この労働条件分科会最低賃金部会の他に「中央最低賃金審議会」があり、最低賃金のことは主にそちらで話し合われることが多いからです。

 

労働条件分科会有期雇用特別部会

有期雇用労働者に関する部会です。

こちらは「特別」という名前があるとおり、「有期雇用労働者の5年での無期転換ルール」の制定のためにあったような部会のため、ルール制定以降はほぼ動きがありません。

有期雇用労働者と短時間労働者が、法律上ほぼ同じ扱いになったため、今後も開催されることはないかもしれません。

 

2. 安全衛生分科会

労働者の健康及び安全について話し合われる会です。

労働安全衛生法全般に関することはこの会で決まると考えて良いでしょう。

安全衛生分科会には、「安全衛生分科会じん肺部会」という部会が1つあるだけです。

 

3. 勤労者生活分科会

勤労者財産形成促進制度と呼ばれる、働く人の財産づくりを支援する制度について話し合われる会です。

勤労者財産形成促進制度(財形制度)(出典:厚生労働省)

勤労者生活分科会には、「勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会」という部会が1つあります。名前の通り「中退共」に関する部会となります。

 

4. 職業安定分科会

職業安定分科会は、雇用保険や労働者派遣、職業紹介など、労働者の雇用の安定に関連する政策をメインに検討する会です。

育児・介護休業や高年齢者の雇用なども扱う、かなり幅の広い分科会となっています。

 

4.1. 職業安定分科会の部会

職業安定分科会には6個の部会があります。

職業安定分科会雇用保険部会

名前の通りですが、雇用保険制度に関する部会となります。

今年は雇用保険料の変更があったため、年度末となる3月31日に会が開かれるなど、かなりバタバタしていたようです。

 

職業安定分科会労働力需給制度部会

労働者派遣や職業紹介制度などについて話し合われる会です。

 

職業安定分科会地方連携部会

雇用に関する国と地方公共団体との連携状況等を確認する会で、概ね年1回開催となっています。

 

職業安定分科会雇用対策基本問題部会

高年齢者の雇用や外国人雇用といった、労働者の属性ごとの雇用対策、さらには建設業や介護事業といった業種ごとの雇用対策の検討が行われる会です。

 

職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会

「有期雇用労働者の5年での無期転換ルール」を、高年齢者に適用するといろいろまずいぞ、というのが無期転換ルール制定後に明らかになりました。

こちらはその対策のためにできたような部会なので、有期雇用特別措置法制定後は特に動きはありません。

 

職業安定分科会・雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会

こちらは同一労働同一賃金に関する部会です。

職業安定分科会と、後で紹介する「雇用環境・均等分科会」の2つの分科会の下の部会という扱いのため、名称が上記のようになっています。

働き方改革関連法施行後は特に動きはありません。

 

5. 障害者雇用分科会

障がい者の雇用促進や、そのための制度について検討する会です。

直近だと、障害者雇用納付金制度に関する見直しが話し合われています。

 

6. 人材開発分科会

人材開発、ということで職業訓練のほか、企業内や学校での学び直しといった政策を検討する会となっています。

人材開発分科会の下には「人材開発分科会監理団体審査部会」という部会が1つありますが、「審査」という性質上、部会での話し合い内容は原則非公開となっています。

 

7. 雇用環境・均等分科会

主に女性の働き方や、次世代の若者の働き方についての政策を検討する会となっています。

その性質上、育児介護休業法や女性活躍推進法、次世代法に関する検討が主となっています。

 

7.1. 雇用環境・均等分科会の部会

雇用環境・均等分科会には2つの部会があります。

雇用環境・均等分科会家内労働部会

家内労働とは、いわゆる「内職」のこと。

つまり、この部会は主に内職についての検討が行われる回となります。

 

職業安定分科会・雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会

職業安定分科会のところでも説明したとおり、同一労働同一賃金部会は、雇用環境・均等分科会の部会でもあるので、改めてここに掲載。

 

8. その他

上記の他、労働政策基本部会、労働政策基本方針部会という、上に分科会を置かない部会があります。

 

9. まとめ

以上。

大雑把にまとめると、以下のとおりです。

  • 労働基準法関連のことが知りたかったら労働条件分科会
  • 安全衛生法関連ことを知りたかったら安全衛生分科会
  • 労災関連のことが知りたかったら労働条件分科会労災保険部会
  • 雇用保険法関連のことが知りたかったら職業安定分科会

 

 

今日のあとがき

USBケーブルから充電することが格段に増えた昨今ですが、PCなどから給電を受けたり、アダプターの種類によってはアンペアが足りない、ということがあります。

MacBookやiPadは、アンペアが弱いとケーブルを繋いでいても充電が減っていくし、Surfaceに至ってはアンペアが弱いと充電自体してくれません。

MacBookやSurfaceは、基本事務所で使って、たまに自宅に持ち帰って使う、ということが多いのですが、本体に加えてアダプターまで持ち帰るのはちょっと面倒。

ということで、最近買ったのが、USBポート付きの電源タップ。

これのおかげで、電源タップにでかいアダプターを指しておく必要がなくなり、電源タップ周りも綺麗になりました。

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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