Q8 労働基準法の基準を下回る契約は有効ですか
A8 労働基準法の基準を下回る部分だけ無効となり、下回る部分は労働基準法の基準に自動で引き上げられます
労働基準法の基準を下回っているからといって、その労働契約が全て無効になるわけではありません。
例えば、ある会社で時間外手当を法律で定められているの1.25倍ではなく1.10倍しか払っていなかったとしましょう。その代わり、有給が労働基準法の基準よりも多く与えられています。
この場合、時間外手当を1.25倍に引き上げられた上で、労働基準法の基準よりも多く与えられている有給の規定はそのまま有効と判断されます。つまり、労働基準法以上の部分があるからといって、他の箇所をそれ以下にすることはできないわけです。
このように、労働基準法の基準以上の部分はそのままに、下回っている部分だけを労働基準法の基準にまで自動で引き上げます。
これは「部分無効自動引上げ」と呼ばれ、労働基準法の非常にユニークな特徴の1つとされています。
2016/08/05