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雇用保険

平成29年1月施行の再就職手当と就業促進定着手当の改正について解説

2017/02/02

今年の国会で改正された雇用保険法ですが、来年の1月施行のものがいくつかあります。

その代表的なのが、新規でも65歳以上の労働者の雇用保険が加入になった点ですが、そちらについては過去に記事にしているので、こちらをご参照を。

法改正で平成29年より65歳以上でも雇用保険に加入可に!しかも保険料は免除のまま

今回は、同じく改正される再就職手当と就業促進定着手当について。

 

再就職手当の給付率が10%増加

再就職手当についての簡単な説明はこちらでも書きましたが、

テーマは再就職手当、「早く決める方が有利(働く人を守る労働保険第10回:中日新聞連載)」

要するに、早期の就職を促すために、再就職を早く決めた人には、もらえるはずだった基本手当(失業手当)の一部を支給するよ、というもの。

今年の12月までのもらえる額は、もらい切れなかった基本手当の5割か6割で、再就職が決まった時点で、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の残っている場合は60%、3分の1以上3分の2未満の場合は50%です。

(~平成28年12月)

支給残日数 再就職手当の額
3分の1以上、3分の2未満 基本手当日額×(支給残日数×50%)
3分の2以上 基本手当日額×(支給残日数×60%)

これが、来年の1月より、給付率がそれぞれ10%ずつ上がります。

(平成29年1月~)

支給残日数 再就職手当の額
3分の1以上、3分の2未満 基本手当日額×(支給残日数×60%)
3分の2以上 基本手当日額×(支給残日数×70%)

年末年始、ボーナスもらって会社やめよう、という人にはちょうどいいのかもしれません。

 

就業促進定着手当(今年の12月まで)

上記の連載記事では、紙面の都合で省略しましたが、再就職手当をもらう場合、就業促進定着手当がもらえる場合があります。

就業促進定着手当とは、離職前と比べて再就職先の賃金が下がる場合に支給されるもので、支給を受けるには、

  • 再就職手当の支給を受けている
  • 再就職先に6ヶ月間定着

以上の、2つの条件を満たす必要があります。

支給額は「低下した賃金の6ヶ月分」ですが、「基本手当日額×(支給残日数×40%)」という上限があります。

給付率が引き上げられた再就職手当は対象に、就業促進定着手当については、来年の1月から支給が縮小されます。

 

就業促進定着手当(来年の1月以降)

まず、支給の条件として支給残日数が3分の2以上」あることが条件として加えられます。

これにより、再就職手当の支給を受けていたとしても支給残日数が「3分の1以上3分の2未満」の人は支給を受けられなくなります。

また、上限の給付率も40%から30%に引き下げられます。

ただ、平成27年度の再就職手当の支給を受けた人の数と、就業促進定着手当の支給を受けた人の数を比較すると、

前者は約40万人、後者は14万人な上、再就職手当の支給を受ける人の8割近くは「支給残日数3分の2以上」を残して、支給を受けるため、全体で見ると給付の額自体は上がっているといえるでしょう。

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参照:再就職手当について(リンク先PDF 第117回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会資料)

 

テコ入れは今後も続く?

ちなみに、再就職手当の受給者数は毎年微増微減しつつ、この10年で見ると増えてはいます。

基本手当の受給資格者が減少していることを考えると、本制度が地道に知名度を上げていることが伺えます(給付率の引き上げと受給者数の増加のタイミンが必ずしも一致してないのが気になりますが)。

ただ、受給者数が増えているとはいえ、再就職手当の支給を受ける率は基本手当の受給資格決定件数の27%。

厚生労働省の職業安定分科会雇用保険部会も、この部分を問題視しており、課題として「再就職手当について、早期再就職の促進等の観点からどのように考えるか。」という点を上げているため、来年の1月の改正以降も、再就職手当他の就職促進給付へのテコ入れが考えられます。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。