高齢者雇用

定年後再雇用者を継続雇用制度で他の事業主に雇用させる場合の注意点

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さて、今回は上記の本で書ききれなかった話。

いや、もっと正直に言いましょう。

厚生労働省「「高年齢者雇用対策の推進について」(令和3年3月26日職発0326第10号)」という通達を見て

「あ!(忘れてた。書いとけば良かった・・・)」

と思った話です。

「高年齢者雇用対策の推進について」(令和3年3月26日職発0326第10号)(リンク先PDF 出典:厚生労働省)

 

高年齢者雇用確保措置と高年齢者就業確保措置

現行の高年齢者雇用安定法では、以下の通り、高年齢者雇用確保措置を実施することが会社に義務づけられています。

  1. 65歳以上まで定年の引上げ
  2. 希望者全員を対象とする65歳までの継続雇用制度の導入(特殊関係事業主(グループ会社の事業主に継続雇用される場合を含む))
  3. 当該定年の定めの廃止

 

加えて、今年の4月に改正法が施行された高年齢者雇用安定法では、新たに努力義務として高年齢者就業確保措置が定められました。

この措置の具体的なものは以下の通りで、事業主はいずれかの措置を実施するよう努めなければなりません。

  1. 70歳までの定年の引上げ
  2. 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入(特殊関係事業主(グループ会社の事業主)に加えて、他の事業主によって継続雇用される場合を含む)
  3. 定年の廃止
  4. 創業支援等措置

高年齢者就業確保措置の詳しい説明はすでに過去の記事で行っているので割愛。

 

さて、問題の「あ!(忘れてた。書いとけば良かった・・・)」と思ったことなのですが、それは「有期雇用特別措置法」に関すること。

 

有期雇用特別措置法

有期雇用特別措置法では、労働契約法18条の「有期の契約期間が通算5年を超えた場合に無期転換申込権が発生する」という、いわゆる5年ルールを、特定の有期雇用労働者については、適正な手続きを行えば適用しないことができると定められています。

そして、この特定有期雇用労働者の中には定年後に有期の雇用契約で再雇用された労働者、つまり、定年後再雇用者も含まれます。

というか、この法律自体が定年後に有期で再雇用された労働者が無期転換申込権を持つことを防ぐために作られたといっても過言ではありません。

なので、定年後再雇用者を有期雇用で雇う場合、有期雇用特別措置法の適用は必須といえます。

 

高年齢者雇用確保措置・高年齢者就業確保措置で有期雇用特別措置法が適用されない場合

ただし、対象とならないのはあくまで定年前から定年再雇用後も同じ会社で働く場合に限られます。

つまり、高年齢者雇用確保措置において「特殊関係事業主(グループ会社の事業主)」の会社に転籍して継続雇用される場合は、こうした有期雇用特別措置法の対象とはなりません。

よって、転籍後、有期期間が通算で5年を超えた場合、定年後の労働者であっても無期転換申込権は発生します。

同様に高年齢者就業確保措置において「特殊関係事業主」はもとより、「特殊関係事業主」以外の会社に転籍して継続雇用される場合も有期雇用特別措置法の対象とならないので注意が必要です。

 

今日のあとがき

雑誌の原稿や本を書くときに怖いのが、自分の勘違いや知識不足によって、間違った内容を書いてしまうこと。

その怖さたるや、雑誌の原稿や本を書いた後は、それに関連する資料等を見たくなくなるほど(他の資料を見て間違いを見つけると心臓が止まる思いをするので)。

ただ、そうやって、逃げてるとどんどん知識が古くなり不足していくので、結局は見るんですけどね・・・。

今回はそもそも書いてないことなので、間違いではないため、あえて書かなかったんだよ、と言い切れなくもない話ではありました。

そもそも、有期雇用特別措置法自体は本書の本筋ではなく、実際、本書で解説するかどうか迷っていたものでしたし(だから、忘れた、とこれまた言い訳することもできますが)。

とはいえ、客観的に見れば、入れておいた方が誤解がなく良かったなあという内容なので、恥を忍びつつ、今回解説させていただきましたので、この記事と合わせて拙著をご覧いただければ、より良いかと思います(結局、宣伝で失礼いたしました)

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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