自己都合の休職は認める義務がある?会社の対応とトラブル防止策

「大学に行って学び直したい」

「長期の旅に出て、自分を見つめ直したい」

最近、こうした「キャリアのリセット」や「リスキリング」を理由に休職を希望する社員が増えています。

大企業では研修制度やサバティカル休暇(長期自己研鑽休暇)を設けるケースもありますが、中小企業はどう対応したら良いのでしょうか。

目次

法律的には、会社の自由

まず大前提として、学び直しや自己都合での休職は法律で義務付けられた制度ではありません。

つまり、認めるかどうかは会社の自由。

実際、就業規則に休職制度の定めはあっても、こういった労働者都合の休職は認めていない、という会社も多いです。

「学び直し」需要増加の理由

一方で、社員が「自己成長を目的にした時間を取りたい」と考える背景には、仕事やキャリアに対する価値観の変化があります。

特に20〜30代では、「一度立ち止まって考えたい」「スキルを磨き直してから会社に貢献したい」

という考えの人も多いようです。(参考:20・30代のリスキリング意識調査リスキリングで習得したいスキル1位は「英会話」

学び直しを「応援する制度」にするか、「業務外」として線を引くか

では、こうした学び直しの休職について、企業はどう対応するのが良いのでしょう。

これは企業側が、社員の「学び直し」をどう位置づけるかで方向性が変わります。

学び直しを制度として応援する

まず、社員の学び直しを「人材投資」ととらえ、社外研修・資格取得・留学・副業経験などを通じてスキルアップを支援する制度を設けるパターンが考えられます。

社員が成長すれば、それだけ会社も成長できる、という考え方です。

この場合、単に休職を認めるほかに、以下のような対応も考えられます。

  • 学び直しのための費用の一部補助
  • 休職ではなく、一定期間の無給休暇制度(復職保証つき)
  • 復職後のキャリア面談制度 など

ただし、学ぶだけ学んで、当該労働者が会社を辞めてしまうリスクとどう向き合うかという課題は残ります。

学び直しは業務外として線を引く

一方で、業務と無関係な目的での長期離脱は、中小企業にとって現場負担・人員不足のリスクが大きいのも事実。

そのため、「業務外の自己都合による休職は認めない」とすることも検討すべきです。

注意すべきは一部、就業規則の規定例には、デフォルトで労働者の自主的な理由での休職を認めるものがあるという点。認めない場合はこういった定めは削除しておく必要があります。

また、当然ですが、休職等をしないようなプライベートでの学び直しについては、会社が関与することはできません。

「自由に学ばせる」も「厳しく線を引く」も正解

「学び直し」という言葉はポジティブなものではありますが、経営者にとっては会社の人員リソースの問題と直結します。

だからこそ、重要なのは会社として「どのスタンスを取るか」を決めることです。

そして、それを明文化し、全社員に共有することで、「期待していたのに認めてもらえなかった」「説明がなかった」といったトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

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社会保険労務士川嶋事務所では、名古屋市および周辺地域の中小企業を中心に、就業規則の作成・改定を行っています。川嶋事務所では、

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この記事を書いた人

名古屋の社労士事務所、社会保険労務士川嶋事務所の代表。
「会社の成長にとって、社員の幸せが正義」をモットーに、就業規則で会社の土台を作り、人事制度で会社を元気にしていく、社労士兼コンサルタント。
就業規則作成のスペシャリストとして、名古屋市内・近郊の中小企業をサポートする一方で、共著・改訂版含めて8冊の著書、新聞や専門誌などでの寄稿実績100件以上あり。

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