名古屋で就業規則作成するなら社会保険労務士川嶋事務所

名古屋市営地下鉄名城線、西高蔵駅から北へ徒歩3分、国道19号線沿いの社労士事務所

時事のよもやま話

大規模災害と罹災証明書と災害見舞金

先週末は観測史上でも類を見ない台風19号が東海・関東地方を直撃、大きな被害をもたらしました。

世の会社の中には、といっても、そのほとんどが大企業ですが、こうした大規模災害の被害に自社の社員が遭った際に、その社員に災害見舞金を支給しているところもあります。

一方で、実際にはほとんどこうした規定が使われることがないことから、規定はあるけれど一度も運用をしたことのない、という会社も少なくないでしょう。

今回はこの、災害見舞金の運用について。

 

災害見舞金とは

会社で定められている災害見舞金の多くは、基本的に「住居の被害」に対して支給するものとなっています。

災害見舞金は法律上に定めのあるものではなく、会社側の裁量で支給するものです。

そのため、会社に支給する義務がない一方で、住居の被害以外に人的被害に支給することも会社の裁量で自由にできます。また、支給は会社の裁量ではあるものの、すでにある災害見舞金規定を客観的合理的理由なくなくすことは労働条件の不利益変更となります。

 

すでに述べたように、一般的な災害見舞金では、住居の被害について「全壊ならいくら」「半壊ならいくら」といった形で支払われます。

一方で、いざ災害見舞金を支給するとなると、この「全壊」や「半壊」の判断をしなければなりません。

これらをどのようにして判断するかというと、地方自治体が交付する「罹災証明書」で判断するのが普通です。

 

罹災証明書

大規模災害により住居に被害があった場合で、被災者から申請が遭った場合、その地方自治体は罹災証明書を交付する義務があります。

罹災証明書は、被災状況に応じた被災者への支援策(義援金の給付、勢・社会保険の減免、猶予等)の適用に利用されるものです。

この罹災証明書では住居の被害を調査し、そこから以下の4区分による判定を行います。

被害の程度 被害の程度
全壊 50%以上
大規模半壊 40%以上50%未満
半壊 20%以上40%未満
半壊に至らない(一部損壊) 20%未満

(この罹災証明書の申請については、各地方自治体によって申請方法や書式、受付期間等が異なるので、被災された方は自分の住んでいる自治体の罹災証明書の申請について調べておく必要があります)

 

罹災証明書と災害見舞金規定

よって、会社としては罹災証明書の判定を基に災害見舞金を支給すればいいわけですが、運用上、判断に困ってしまうのは、罹災証明書の判定と災害見舞金規定の基準に違いがある場合です。

わかりやすいのは災害見舞金規定に「全壊、半壊、一部損壊」の3つしかない場合や、罹災証明書の判定にない「床上浸水」などがある場合です。

前者の場合、無理矢理罹災証明書の判定に合わせることもできますが、後者の場合はやや複雑です。

そもそも床上浸水の場合「半壊以上」の判定になりやすいはずですが、では、その場合「半壊」と「床上浸水」の2項目分を合算して払うのかどうか、といった判断が必要となります。

 

こうしたことを踏まえると、災害見舞金について規定する場合は、罹災証明書の内容に合わせた方が運用上、手間も少なくわかりやすいといえるでしょう。

The following two tabs change content below.
名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 著書に「「働き方改革法」の実務(日本法令)」の他、「ビジネスガイド」「SR」への寄稿、中日新聞での「働く人を守る労働保険」を連載など執筆活動もしてます。