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新設される人材確保等支援助成金、働き方改革支援コースの概要

2019年3月29日

昨日に引き続き助成金の話。

2019年4月1日より、雇用関係助成金は以下のように見直しが行われます。

雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(リンク先:PDF 出典:厚生労働省)

 

新設された助成金、廃止された助成金

今回の省令改正で2019年4月1日より、助成金そのものが新設されたのが「中途採用等支援助成金」です。

ただし、こちらは、全くの新しい助成金かというとそうでもなく、既存の労働移動支援助成金のうちの中途採用拡大コースと、今回の改正でなくなった生涯現役企業支援助成金を統合したものに、「UIJターンコース」を新設したものとなっています。

また、既存の助成金では「65歳超雇用推進助成金」には「高年齢者評価制度等管理改善コース」が、「人材確保等支援助成金」には「働き方改革支援コース」が新たに追加されています。

よって、2019年4月1日より新しく始まる助成金は以下の3つとなります。

  • 中途採用等支援助成金・UIJターンコース
  • 65歳超雇用推進助成金・高年齢者評価制度等管理改善コース
  • 人材確保等支援助成金・働き方改革支援コース

また、2018年度から廃止されるものは以下の通りとなります。

  • 65歳超雇用推進助成金・高年齢者雇用環境整備支援コース
  • 障害者雇用安定助成金・障害や傷病治療と仕事の両立支援コース
  • 障害者雇用安定助成金・中小企業障害者多数雇用施設設置等コース
  • 地域雇用開発助成金・地域雇用開発ソースの戦略産業雇用創造プロジェクト加算の廃止

 

注目は人材確保等支援助成金・働き方改革支援コース

新設される助成金の中で注目度の高いのが人材確保等支援助成金・働き方改革支援コースです。

こちらは少し前に新聞でも報道されたので知ってる人もいるかもしれませんね。

2019年4月1日以降に、より詳しい内容の書かれたパンフレット等が厚生労働省から出るとは思いますが、とりあえず今回は本助成金の省令で明らかにされている部分を解説。

 

支給対象となる事業主

まず、前提として、こちらの助成金は時間外労働等改善助成金のうち、以下の3つのどれかの支給を受けたことのある会社が対象となります。

いずれも中小企業のみが支給対象ですので、人材確保等支援助成金・働き方改革支援コースについても必然的に中小企業のみが支給対象となります。

 

支給の条件

上記のいずれかの助成金の支給を受けたことのある事業主で、以下をどちらも満たすことが支給の条件となります。

  • 雇用管理の改善に関する計画の提出
  • 新たな労働者の雇い入れ

 

助成額

本助成金の額は、雇い入れた労働者1人当たり60万円です。

ただし、短時間労働者の場合は40万円となります。

また、人数に上限があり、対象となるのは10人の人員増までとなります。

これらに加えて、生産性要件を満たした場合、追加的に労働者1人当たり15万円(短時間労働者の場合10万円)が支給されます。

 

まとめ

本助成金は、時間外労働等改善助成金の3コースいずれの支給を受けることが最もハードルが高そうです。

ただ、その中でも、「勤務間インターバル導入コース」については比較的支給を受けやすいので検討してみると良いでしょう。

一方で、いずれかの助成金支給をクリアし、雇用管理の改善に関する計画をきちんと立てれば、労働者を雇い入れる度に助成金がもらえるのはかなり魅力的といえます。

もちろん、人手不足と呼ばれて久しいので、労働者を雇い入れることも大変ではあるでしょう。一方で時間外労働等改善助成金の3コースのいずれかを受けられるようになっていれば、その会社の労働環境自体、一定の改善が行われているはずなので、そこを武器に求人に力を入れることもできるのではないでしょうか。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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