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労働契約 労働法

契約期間「有り」の労働者に影響のある労働基準法や労働契約法の条文をチェック

今週はパート・アルバイトなどの非正規に関することについていろいろ書いていきましたが、今日はその最後。

パートやアルバイトなどの非正規には法律上定義はない一方で(逆もしかりで、正社員にも定義はない)、パートやアルバイトの共通点として多い「労働時間が短い」「契約期間の定めがある」労働者に関しては法律上の保護がある、というのが昨日までの話で、「労働時間が短い」労働者に関する法律については昨日解説したので、今日は「契約期間の定めのある」労働者に関する法律について。

 

契約期間に関する労働基準法上の決まり

契約期間の定めのある労働契約を結ぶ場合、押さえておく必要のある法律は労働基準法と労働契約法の2つです。

まず、労働基準法では、契約期間の長さについて限度が定められており、結べる最長の期間は原則「3年」です。

これはあくまで1回の契約で結べる期間なので、1年の契約を何度も更新して契約更新により3年を超える場合は問題ありません。

また、契約期間の定めがない契約は、いつでも解約できると解されるため(会社側からの解約は全然そんなことないけど)、この規制の対象外です。

契約期間の最長期間3年は、原則、と書いたように例外もあります。

例外は以下の4つ

有期事業

まず、一定の期間で必ず終わる事業(有期事業)の場合はその期間が終わるまでの契約期間を定めることが可能です。

例えば建設業などで工期が4年といった工事に、契約期間の定めのある契約で雇われる場合、4年の契約期間を定めることが可能というわけです。

 

職業訓練

また、認定職業訓練の訓練生として、会社が行政官庁の許可を受けて使用する場合も3年を超える期間を定めることは可能です。

 

高度の専門的知識を有する場合

厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識と経験を有する者については最長3年ではなく、最長5年まで契約期間の定めを行うことができます。

弁護士や会計士、税理士、社労士などの多くの士のほか、SEやデザイナーで年収が1075万超のものなどもこれに含まれます。

労働基準法第 14 条における「専門的知識等を有する労働者」(リンク先PDF)

 

満60歳以上

満60歳以上の労働者の場合も最長5年の契約期間を定めることができます。

 

5年ルールなど労働契約法上の決まり

次に労働契約法です。

労働契約法では、有期の労働者について、以下のことが定められています。

契約期間中の解雇について

やむを得ない事由がない限り、期間中の解雇はできません。

契約期間があることにより労働契約を終了できる頻度が契約期間の定めのない労働者に比べて多い以上、契約期間内の雇用についてはできるだけ守りなさい、ということでしょう。

また、雇い止めしやすいように1ヶ月などの極端に短い契約期間を結ぶ会社もあるかもしれませんが、これについても「必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。」とされています。

 

5年ルール

民主党政権の負の遺産、天下の悪法。

通算契約期間が5年を超える労働者が、期間の定めのない労働契約にしてほしいと会社に申し出た場合、会社はそれを承諾しないといけません。

通算契約期間については、契約期間に6ヶ月以上の空白期間がある場合は通算されません。

 

これが適用されない特例もありますが(なぜか)監督署への申請が必要です。

高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例について(リンク先PDF)

いずれにせよ、これにより、契約社員の契約が5年未満で切られる可能性が大きく増し、労務の現場では混乱を生み続けています。

この5年は法改正された2013年4月からカウントするので、最短だと来年の4月より申出が行われる可能性があります。

 

契約の更新等

労働者側から契約更新の申し込みがあった場合、会社がそれを拒絶することが認められない場合があります。

その場合、同一の労働条件でその申し込みを承諾したものとみなされます。

会社が拒絶することが認められない場合は以下の通り。

  1. 過去に反復して契約を更新されたことがあるもので、契約満了による雇い止めが、期間の定めのない労働者を解雇することと事実上(社会通念上)同視できる場合
  2. 労働者側に有期契約が更新されるものと期待することに、合理的な理由があるとき

有期雇用労働者への不合理な労働条件の禁止

例えば、職務内容が他の労働者と同じなのに、有期雇用だからという理由だけで極端に賃金が低いなどの不合理な労働条件を設定することは禁止されています。

 

以上です。

ちなみに、労働基準法は違反すると監督署の取り締まりを受けることになりますが、労働契約法はあくまで会社と労働者のあいだで守られるべきルールという立ち位置。

(労働基準法が刑法なら、労働契約法は民法)。

なので、労働契約法に違反したからといって、監督署の取り締まりに合うわけではありませんが、司法の場で争われた際には違反しているとほぼ確実に負けます。

 

今日のあとがき

スポーツといえばモータースポーツとeスポーツという、完全に人並みの感覚から外れているわたしにとっては、今週末はモータースポーツではモナコGPとインディ500、eスポーツではELEAGUEにレッドブル組み手にコンボブレーカー(いずれもスト5の大会)と楽しみな大会ばかりで、非常に楽しみです。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。