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労務管理

【研究結果で】優秀なパワハラ上司は会社に害悪である【確定】

2017/02/02

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労働時間の割に生産性が低いと日本の職場ではよく言われますが、海外で面白い研究結果がでています。

礼儀正しさは職場にプラスの効果

アメリカ・ジョージタウン大学マクダナー経営大学院のクリスティーン・ポラス教授が行った研究はこうです。

アナグラム・ワードパズル(単語のパズル)やブレーンストーミング(集団でのアイデアの出し合い)を行わせる前に、被験者の一部のグループに対しては実験する側が無礼な態度で接し、そうしたことをされなかった被験者グループの結果を比較するもの。

結果、ワードパズルやブレーンストーミング前に無礼な態度で接せられたグループは、そうはされなかったグループよりも30~40%ほど結果が悪くなったそうです。

さらに、より理不尽な態度で実験者に叱られたグループは約60%も結果が悪くなりました。

また、直接そうした態度でを受けたわけではなく、その場にいて見ていただけでも、ワードパズルでは25%、ブレーンストーミングでは45%も出てくるアイデアが少なかったそうです。

このように無礼な態度が周りの能率を下げるという結果が出る一方で、別の実験では、「礼儀正しい」人間は、その人を「礼儀正しい」と評価している人間からアドバイスを求められやすいことや、リーダーとしても認める確率が2倍高い、という結果も出ています。

詳しい実験結果は上記のリンク先を。上記の記事は他にも面白いことが書かれているので、おすすめです。

 

優秀でもパワハラ上司は会社に必要ない

これらの実験からわかるのは、パワハラ上司・クラッシャー上司涙目ってことです。

例えば、5人のチームで行うプロジェクトのリーダーが、パワハラ上司やクラッシャー上司だった場合。

一人あたりの能力を100だとして、チーム全体だと500。

しかし、リーダーがパワハラ上司やクラッシャー上司だと、他4人の能率は約4割減するので「400×0.6=240」。4人の能力の合計値は240となります。

往々にしてパワハラ上司やクラッシャー上司は個人で見た場合には優秀なことが少なくありませんが、リーダーがどんなに優秀でも1人で260、つまり、他の人の2.6倍の成果を発揮するのは至難の業でしょう。

たとえ発揮できたとしても、普通のリーダーが普通にまとめるのと変わりません。

いくら単体で見て優秀だとしても、会社から見たらパワハラ上司やクラッシャー上司は「いらない子」というのが、これらの実験からわかるわけです。

 

そんな「いらない子」の対処方法ですが、労務管理の観点から言うと、従業員のパワハラ行為での解雇は他の解雇同様簡単ではありません。

一方で、役職からの降格については、会社の人事権を判例が大きく認めていることもありやりやすいので、こうしたパワハラ上司やクラッシャー上司に対しては、規則等を定めた上で降格で対処するのが良いでしょう。

 

 

「怒って伸ばす」は錯覚

さてさて、こうした実験結果を見ても、パワハラ上司やクラッシャー上司というのは「相手のために怒る」ということを平気で言ったりします。

ただ、「相手のために怒る」のは別にいいんですが、それが「無礼な態度」では怒られてる本人だけでなく周りにも非常に大きな影響を与える、というのがこの実験結果なのです。

「相手のため」なら、怒鳴ったり、相手を中傷するようなことを言ったり、無視したりする必要はなくて、「相手のために」なるような方法を取ればいいわけで、そこはひとえに、その人のコミュニケーション能力が試されます。

いわゆる、パワハラ行為というのは、コミュニケーションの放棄にほかなりません。

また、怒って人を伸ばす、なんて人もいますが、たとえ、怒った後に、その相手のパフォーマンスが良くなったとしても、それはほぼほぼ単なる錯覚ですのでお間違えなく。

怒るか褒めるか ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」を(上巻だけ)読んで

 

ワンマン経営の場合でも必要な礼儀正しさ

最後に、ワンマン経営の中小企業の社長さんなんかの場合、もう少し複雑というか、本当に他の社員の10倍、100倍のパフォーマンスを出すような経営者の方もいらっしゃるのが難しいところ。

ただ、そのため、自分の態度が周りを萎縮させ、能率を下げていることに気づかないことも考えられます。

しかし、自分がもう少し楽するためにも、あるいは会社をさらに大きくしていくためにも、従業員の協力は必要不可欠であることを考えれば、自ら態度を改め、礼儀正しく接するのは重要な事かと思います。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。