1. A12 実際の労働時間が法令に違反していなければ大きな問題はないと思いますが、就業規則等を変更したほうが良いです
1.1. 労働時間はあくまで実態を見る
労働基準法では、就業規則や労働契約でどう定められているかよりも、実態を見ます。
そのため、実際の労働時間が36協定で定めた時間以内に収まっていて、労働基準法に則って時間外手当等の賃金もきちんと支払われているのであれば大きな問題はありません。
しかし、実際の労働時間に基づいた給与計算を行わずに、給与計算だけ就業規則の労働時間にもとづいていたりすると、問題が発生する可能性があります。
例えば、始業・終業時刻が実際は8時から17時だけど、就業規則上は9時から18時になっている場合、定時で終わる分には問題ありませんが、1時間残業して、8時から18時まで働いた場合、8時から9時までの1時間は賃金が支払われないことになり未払い賃金となってしまいます。
このような混乱がないよう、就業規則や労働契約はきちんと実態に基づいたものにしておくのが肝要です。
1.2. 就業規則や労働条件と、実態の乖離はトラブルのもと
また、就業規則や個別の労働契約と異なる労働時間で働かせることは、厳密に言えば契約違反となります。
大きな損害賠償が発生するような違反ではないとはいえ、労働者から契約違反であるとのクレームが入る可能性もあります。
そういった意味でも、労働契約や就業規則はきちんと実態にあったものにしておいたほうがいいでしょう。