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助成金 労務問題(時事)

反社会的勢力との繋がりで会社が受ける労務関連のペナルティとは

スキャンダル渦中にある日本ボクシング連盟の山根明会長が、テレビの生放送で弁明や謝罪どころか反社会的勢力とのつながりを公言して話題となっています。

ちなみに、山根会長とは対照的に全く表に出てこない「悪質なタックル」で有名な大学の理事長も反社会的勢力とのつながりが噂されています。

こうしたつながりがよろしくないことは、賢明な方々なら皆まで言わなくてもわかると思います。

実際、労務に関連する部分でも以下のようなペナルティがあります。

 

助成金

一番大きいのはこちらですね。

助成金といってもいろいろありますが、社労士の扱う助成金というと雇用関係助成金という、雇用保険料を原資としたもの。

雇用関係助成金を受給できない事業主として、以下のようにあります。

 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

出典:各雇用関係助成金に共通の要件等(リンク先PDF 厚生労働省

隠して申請して後で発覚した場合は不正受給となり「受けた助成金は全て返還」「不正受給の処分決定日から起算して3年間は雇用関係助成金の受給は不可」となり、最悪刑事告発されて詐欺罪に問われることもあります。

 

一方、山根会長が私的流用してたのはtotoを原資とする日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金なので扱いは異なります。

専門ではないのでざっと見た感じですが、暴力団関連の条項は見当たらないものの、不正受給については以下のような記載があるため、今後の動きに注目です。

不正行為等が判明した場合、当該年度の助成金の返還はもちろんのこと、過去に遡って調査を行い、過去の助成金の返還や翌年度以降の助成金の助成対象者から除外するだけでなく、刑事告発等を行う場合があります。

出典:スポーツ振興事業助成金を受ける団体の心得(平成30年度用)(リンク先PDF JAPAN SPORT COUNCIL

 

求人

もう一つは求人です。

改正職業安定法では、以下の場合、ハローワークや職業紹介事業者は求人を受理しないことが可能になるからです。

  • 労働法違反を繰り返し処分等を受けた事業所からの申し込み
  • 暴力団員が役員だったり、暴力団員が事業を支配している事業所からの申し込み

これに合わせて、ハローワーク等は受理しない案件かどうかの確認のため、求人者に対して報告を求めることができますが、正当な理由なくこれに応じない場合も、ハローワーク等は求人を受理しないことができます。

こちらについてはまだ法律が施行されておらず、施行日は改正法公布(2017年3月31日)から3年以内となっています。

 

こうしてみると意外と少ないですね。しかも、ペナルティがあるのは事業主や役員といった上の方でのつながりのみ。

ただ、反社会的勢力とのつながることは行政上のペナルティよりも社会的なペナルティの方が大きく、まともな会社なら反社会的勢力そのものだけでなく、反社会的勢力とつながりのある人・団体とも距離を置きたくなるものです。

そのため、清廉潔白な会社ほど、万が一にもそうした勢力の侵入を許したくないので、最近では雇用契約の際に誓約書等で反社会的勢力とつながりがないことを誓約させる会社も増えています。

裏を返すと、労働者側からするとそういった誓約をさせる会社は反社会的勢力とつながりがないと信用できるし、会社側としてもそうした勢力と関わりがないことを証明するためにそうした誓約はきちんと行った方が良いと考えることができます。

今日のあとがき

拙著「「働き方改革法」の実務」ですが、皆様のおかげで増刷が決定しました!

わたしの叔父にあたる弊所先代も生前3冊ほど本を出していましたが、「初版は全て売ったので出版社に迷惑はかけていない」というのが彼の自慢でした。

それを聞いていたので、初版はなんとか売り切りたいと思っていたのでとりあえず一安心。

とはいえ、もっと売れるに越したことはないので、今後ともよろしくお願いします。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。