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労災保険

労災の保険給付を会社が負担しなければならない3つの場合

2017/02/02

通常、保険料を払う人と給付を貰う人というのは同じです。

しかし、労災保険というのは特殊な保険で「会社が保険料を支払い、労働者が給付をもらう」という形になっています。

無題のプレゼンテーション

その理由は一昨日の連載記事で書いたので

テーマは労災保険料、「すべて会社が負担する(働く人を守る労働保険第17回:中日新聞連載)」

そちらを読んでもらいたいのですが、そのため、他の保険には見られないペナルティがあります。

それが労災にあった労働者の給付にかかった費用(※)を会社が負担するというもの。

こうしたペナルティを受けるパターンは3つあって、1つ目は未加入時に労災が起こった場合、その悪質さの度合いによって会社は保険給付にかかった額の「40%または100%」を負担することになります。

※ 療養(補償)給付、介護(補償)給付、二次健康診断等給付を除く。以下同じ。

 

労働保険料を滞納している時に労災事故が起こった場合

労働保険料を滞納している時に労災事故が起こった場合、会社は保険給付の一部を負担することになります。

保険料を払っていないのだから、会社は給付費用を負担しないといけない、という考えは未加入時のそれと同じですね。

 

滞納とは

ここでいう滞納とは、督促状の指定期限の翌日以降から、保険料を完納した日の前日を指します。

つまり、対象となるのは督促状がくるくらい滞納している場合、ということになります。

なので、労働保険の年度更新のときに指定される本来の支払期限からちょっと遅れた、くらいなら一応は大丈夫ということになります(当たり前ですが、期限内に払うに越したことはないですよ)。

そして、保険料を完納するか、労働者の保険給付が終わらないかぎりは、会社の負担が続くことになります。

 

会社の負担率

保険給付の給付額に対する会社の負担率は、保険料の滞納率によって変わりますが、最大で40%が限度になります。

滞納率というのは、本来支払う必要のある保険料に対して、いくら保険料を滞納しているかで求めます。

つまり、100万円納めないといけないのに、50万円しか納めてない場合、滞納率は50%となります。ただ、負担率の上限が40%なので、給付に対する負担率は40%になるわけです。

 

事業主に重大な責任のある事故の場合

労災は基本的に無過失責任であり、労災が起こった時点で会社側に責任があるということになっています。

そのなかでも、会社に重大な責任がある場合や、故意に労働災害を起こした場合、会社が保険給付額の30%を負担することになります。

負担率で見ると大したことなさそうに見えますが、労災では、労災にあった労働者に対して医療費や生活費は給付しても、労災事故による損害賠償や慰謝料までは負担しません。

そして、労災は基本的に無過失責任、起こった時点で会社の責任、労働者が訴えれば慰謝料や損害賠償をとられるのはほぼ確実なわけです。

その上で、会社に重大な責任があったり、故意だったりしたとなれば、額が上がるのは確実。

ちなみに、労災で障害が残った場合で最も軽いのが14級という等級なのですが、この等級でも、裁判上の慰謝料の相場は100万円前後だそうです。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。