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2016年の参院選での各政党の労働政策の公約をチェック&比較で浮かび上がった「4つの共通点」

2016/07/05

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参院選が公示されました。

今回は、各政党が出している公約から労働政策に的を絞って、比較・解説していきたいと思います。

はじめに言っとくとこの記事書くの結構苦行でした(遠い目)。思いついたこと何でもかんでもやるもんじゃないね。美辞麗句ばっかり読むのは虫酸が走るっていうか辛いのさ~。

 

自民党の労働政策

まずは自民党

  • 最低賃金1,000円を目指します。
  • 「同一労働同一賃金」の実現により「正規・非正規の格差」を是正します。
  • 長時間労働の是正、高齢者雇用を促進します
  • 若者の就職、雇用安定と所得向上に取り組みます。 .etc

参議院選挙公約2016

他の政党と比べて飛び抜けてデザインに凝っていて、飛び抜けて重いサイトから労働政策に関係のあるものを引っこ抜いてきました。

デザイン性重視の公約サイトのせいか、これだけ見ると、どれも具体性が無いですね。あるとしたら「最低賃金1,000円を目指します。」くらい。

ただ、公約のフォローとして「政策BANK」というページがあって、こちらにはもう少しいろいろなことが書いてあります。具体性は上のよりはマシとはいえ、やっぱりないけど。

流石に全部書くと、この記事が長大になってしまうのでめぼしいものだけ引っ張ってくるとこんな感じ。

  • 労働生産性の向上を支援し、更なる賃上げにつなげるとともに、最低賃金について時給1,000円(全国加重平均)を目指します。
  • 同一労働同一賃金の実現により、非正規労働者の処遇を改善し、正規・非正規の格差を是正します。また、中小企業の取引条件を改善し、中小企業と大企業との賃金格差を是正します。
  • 正規雇用への転換を希望する非正規労働者の方々のキャリアアップ等を図る取組みを推進し、正規雇用への転換を果断に進めます。
  • ブラック企業に対する監督指導強化や職場でのメンタルヘルス対策を進めるとともに、終業と始業の間のインターバルの確保や総労働時間の短縮に向けた企業の取組みを進めます。
  • 育児・介護休業を取得しやすく、仕事と子育て・介護を両立できる制度の導入を進めます。これにより、希望出生率1.8と介護離職ゼロを目指します。
  • 未来を担う若者が希望する職業に就いて活躍できるよう、企業による職場情報提供の取組みを着実に進め、若者の採用・育成に積極的な企業を増やします。
  • 労働力人口が減少し、現行制度でも外国人労働者の大幅な増加が見込まれる中で、日本人だけでは労働力が不足し社会に深刻な悪影響が生じる分野について、外国人労働者が適切に働ける制度を整備します。 .etc

自民党 政策BANK

ポイントは、「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」の4つ。

なぜ、この4つがポイントかといえば、後であげる他の政党もこの4つの政策を上げているから。

つまり、細かなやり方の違いはあるかもしれないけど、政党間で争いのない部分なわけです。よって、近いうちに何らかの形で達成されるのはほぼ間違いないわけです。

実際、最低賃金は今年も去年並みに引き上げ予定だし、同一労働同一賃金については政府の検討が進んでいる。インターバル制については、わからない人もいるかもしれないので別記事で今度また詳しく説明します(笑)。

総じて、優等生的と言えるんじゃないですか。良し悪しはもちろんありますけど、少なくとも、あとで上げる野党3党のような無責任さ、特に財政的な無責任さはないと思います。

 

公明党の労働政策

次は公明党。

  • 同一労働同一賃金の実現
  • 非正規労働者の待遇改善
  • 最低賃金1000円に引き上げ
  • 正社員化促進
  • 能力開発支援
  • 長時間労働の是正、有給休暇の取得促進
  • 仕事と子育て・介護の両立を進める環境整備と職場復帰支援
  • 短時間勤務やテレワークなど時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の推進
  • インターバル制 .etc

2016参院選の重点政策 manifesto2016(リンク先PDF)

ここは組織票だし、もうここ十何年も自民党のひっつきむしやってるせいか、政策も正直面白みがないので書くこともない。

自民党のときに言ったように「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」の4つはやっぱり入ってます。

 

民進党の労働政策

ここからは野党です。まずは民進党

  1. 非正規・正規の賃金格差を解消します
  2. 長時間労働をなくすための法律をつくります
  3. 「誰もが時給1,000円以上」を実現します
  4. 厚生年金への加入者を増やします
  5. 中小企業の正規雇用を支援します
  6. 労働者派遣法改悪を見直します

民進党 国民との約束03

1は民進党のサイトの解説で「正規と非正規の賃金格差なくす際に、非正規に合わせることがないようにする」とあるので結局「同一労働同一賃金」と「非正規の正規への転換」のことを言っています。

そして、2の解説で「インターバル」の導入が入ってるので、「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」の4つが謳われております。

あとの4、5、6ですが、4で非正規でも社会保険に加入できるようにして、5ではそれによって増えた企業の社会保険料負担を「事業主負担分の2分の1相当額」を助成して、正規雇用を増やしたいんだとか。

会社の負担分を助成するってことは、労働者の負担分は変わらんってことじゃね? じゃあ、労働者のほうが入りたくないって言ったらそれまでじゃね? そして、助成するのはいいけど、それって結局税金だよね?

そんなことして「次世代にツケをまわさない」って、それなんてブラックジョーク?

6については、おまえが言うな! 以上。

 

共産党の労働政策

野党2つ目は共産党です。

  • 残業時間の上限を法律で規制し、終業から翌日の始業まで最低11時間空けるインターバルの確保など労働基準法を改正します。
  • 「残業代ゼロ法案」に断固反対し、廃案をめざします。
  • 違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせるなど、「ただ働き」を根絶します。
  • 離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させます。
  • パワハラ行為を行った企業には、労基署などが助言、指導、勧告を行い、勧告に従わない企業名を公表します。
  • 労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、正社員の派遣労働への置き換えをなくします。
  • 同一労働同一賃金、均等待遇を、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。
  • 最低賃金をいますぐどこでも時給1000円に引き上げ、さらに1500円をめざします。
  • 社会保険料減免や賃金助成など、中小企業の賃上げに本格的な支援を行います。
  • 最低賃金の地方間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。

力あわせ、未来ひらく ――日本共産党 参議院議員選挙政策

「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」の4つはもういいですね?

他ので言うと、「残業代ゼロ法案」というのは一頃話題になったホワイトカラー・エグゼンプションとか日本型新裁量労働制のことですね。そういえば、自民党の公約では一切触れられていませんでしたが、まあ、選挙戦で争点にするのは不利ということで避けたんでしょう。

あと「違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせる」って、それって付加金では?

パワハラへの助言、指導、勧告は今でも監督署やってると思うし、さては共産党に労働法とか労働行政に詳しい奴いねえな?

 

社民党の労働政策

最後は社民党。慰安婦問題を捏造したあの福島みずほのいる党です。

  • ディーセント・ワーク(尊厳のある人間らしい働き方)の実現に向け、労働者保護ルール、雇用のセーフティネットを強化します。過労死をなくします。
  • 労働者派遣法を再改正し、派遣労働者の処遇改善、雇用の安定に取り組みます。
  • 長時間労働を是正し雇用を生み出します。勤務時間終了後から次の勤務開始までに最低11時間の休息を労働者に保障する「勤務時間インターバル制度」を創設します。
  • 残業代ゼロ制度や解雇の金銭解決制度の導入、解雇規制の緩和など、労働者保護ルールの改悪を阻止します。重要な政策決定の場に労働者代表を参画させます。
  • 非正規・有期雇用から正社員への転換を促進します。ILOが示す同一価値労働・同一賃金原則を導入し、均等待遇を徹底します。
  • 最低賃金を全国一律、時給1000円に引き上げ、さらに、生活できる賃金を確保するために時給1500円を求めていきます。あわせて中小企業への支援を一体的に行います。

参議院選選挙公約2016

はい、「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」の4点セット。

あとはここは何でも反対政党なので、「残業代ゼロ制度」「解雇の金銭解決制度の導入」「解雇規制の緩和以上」反対を謳ってます。じゃあ、どうやって同一労働同一賃金達成するのか、って話だけど。

 

以上。

みなさんがどの政党に投票するのか知りませんし、選挙に行くのかも知りませんし、わたしがどうするかも言いませんが(ていうか、聞かないでおくれ)、最後にもう1度だけ言わせてもらうと、上で上げた5政党すべてが公約に掲げている以上、参院選の労働政策の柱は間違いなく、

「最低賃金、時給1000円」「非正規の正規への転換」「同一労働同一賃金」「インターバル」

になります。今から対応できるよう準備しておいたほうが良いかと。

あと、先程も少し触れましたが、労働時間のインターバル制の話は、今度改めて、じっくり解説します。

最後に、この記事で、公職選挙法に引っかかりそうな内容があったら、わたしがブタ箱に入る前に誰かおしえてください(笑)

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。