監督署の臨検調査

過重労働解消キャンペーンで監督署調査激増!?

2014年10月8日

厚生労働省が「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施すると発表しました。

こうした行政の〇〇キャンペーンなんてのは生徒会や学級会の今月の目標みたいなもんで、やってはみたけど成果が出たかどうかわからないまま曖昧に終わっていくのが常。

なので、どうでもいいといえばどうでもいいのですが、「おっ」と言いますか、「やっぱりか」と思ったことがありまして、それは、今回の「過重労働解消キャンペーン」の実行項目の「(2)重点監督を実施ます」の

 労働基準監督署及びハローワークに寄せられた相談等を端緒に、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等を把握し、重点監督を実施します。

という部分。

これまでの業務の経験上、薄々そうなんじゃないかとは思っていましたが、監督署の調査の対象企業というのは、労働者の監督署やハローワークでの相談なんかもその選考基準になっていたんですね。明言はされてませんが、36協定や助成金申請などの監督署や労働局に企業が提出する書類なんかも、調査の取っ掛かりになっていることは間違いないでしょう。

もちろん、大きな企業や労災等が多い事業所などの場合は、それとは関係なしに彼らも狙っているようですが。

過重労働にはリスクがいっぱい

無意味に予算だけを使うであろう今回のキャンペーンですが、そういうニヒリズムに満ちたわたしの観点はおいておいても、過重労働はしないに越したことありません。過重労働には以下のように

  • 過労による体調不良・過労死
  • 過労によるヒューマンエラー
  • 過労による労働者の不正リスク(つじつま合わせ仮説など
  • 家族と十分なコミュニケーションが取れないことによるメンタル不調
  • 監督署に調査に入られた場合の是正勧告等
  • 安全配慮義務違反
  • ブラック企業呼ばわりされるリスク
  • (特に若い)労働者の離職リスク
  • etc

悪いところを書き出したらキリがないくらいに悪いところだらけなわけですからね。

なので、過重労働が慢性化している企業や事業所は、今回のキャンペーンをむやみに無視したり、調査に入られるリスクを減らすため、といったその場しのぎのような対策を取るのではなく、より抜本的な改革を取る一つキッカケにしてみてはいかがでしょうか。

もちろん、社会保険労務士川嶋事務所では随時、そうした過重労働の軽減をお考えの経営者の方々のお力になれるようご相談を承っていますので、お気軽にご相談いただければと思っています。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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