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雇入れ

高校生の新卒は「卒業式」の翌日から働かせていいの?

2017/02/02

センター試験も終わり、これから本格的に受験のシーズンですが、それが終わると今度は卒業式。

わたしは小・中・高・大と4回の入学式に出ていますが、うち卒業式には2回しか出たことがないので、もう卒業式というものが何だったのか、ちょっと記憶が曖昧です。まあ、学生のみなさんからすると大切なイベントなのでしょう(適当)。

ただ、よく卒業式の日なんかに担任の先生が言うように、大抵は卒業式後もその年度が終わるまではその学校の生徒、ということになっています。大学なんかは卒業日が年度の末日になってないこともあるようですけどね。

さて、卒業式の日と卒業日が一致してないことが多い、特に中学や高校なんかはほぼほぼ一致してないわけですが、このような卒業式から卒業日までのあいだの期間に、会社はそうした学生たちを働かせてもいいのでしょうか。

特に新卒で就職、という場合、会社によっては内定を出している新卒の学生に少しでも早く会社に慣れてもらいたい、ということで、卒業式直後から研修等を行いたいと思っていることがあります。

 

中学生と大学生

まず、中学生についてですが、労働基準法では15歳になる年度の末までは児童の就業は原則禁止とされています。

そのため、卒業式から卒業日(3月31日)までのあいだ、会社が研修や実習等のために学生を働かせる、ということはできません。

逆に言うと「働かせ」なければいいので、就業開始前に内定式やオリエンテーションを行うことは可能です。

ただし、いくら内定式やオリエンテーションと言い張っても、実態として労働にあたる場合はアウトです。

次に、高校生は飛ばして大学生ですが、こちらに関しては「大学生だから」ということで問題になるようなことはありません。みなさん成人ですしね。

「大学在学中は就労できない」なんて校則のある大学なら話は変わってくるかもしれませんが、そんな大学、聞いたことありませんし、あっても、「職業選択の自由」を不当に奪っていると考えられるので無効でしょう。

なので、気をつけるべきは、内定式やオリエンテーションを行うにしても、それが「労働」なのかそうでないのか、という点。

労働であれば、当然賃金が発生するからです。

 

高校生

さて、先ほど飛ばした高校生の卒業式から卒業日までの労働。

この時期の高校生は、労働基準法のくくりでは未成年者、もしくは誕生日によっては年少者にあたるわけです。

一応、こっちの記事で未成年者については解説しているので、よろしければ。

「18歳選挙権」の後に待ち受ける「18歳成人」で労働法や労働保険、社会保険はどうなるか?

ただ、それよりも気をつけないといけないのは、各都道府県の労働局や教育委員会等が協議してで定めているローカルルール。

 

法律以上にローカルルールにも注意

実は、高校の新卒求人に関しては、各都道府県ごとに扱いが異なります。

これは各都道府県の労働局や教育委員会、中学校及び高等学校、事業主団体、ハローワークといった機関の代表者で組織される協議会によって、高校生の新卒求人に関するルールが決められているから。

愛知の場合は「愛知県就職問題連絡協議会」というところが決めていて、求人票の受付開始日や学生の選考開始日などが決められます。

で、ほとんどの内容は各都道府県ごとにそれほど大きく異なるわけではないのですが、高校生の卒業式から卒業日までの取扱に関しては、愛知では

新規高等学校卒業者に係る採用決定者(内定者を含む。)の就業開始(実習、研修等を含む。)の期日は、卒業後とする。

参照:平成 29 年 3 月新規中学校・高等学校卒業予定者の就職に係る推薦及び選考開始日の申し合わせについて(PDF)

となっているのに対し、例えば石川では、

平成29年4月1日以降が望ましいが、実習や研修等の目的の就業としては卒業式後とする。

参照:平成29年3月新規高等学校卒業者の就職に係る確認事項及び選考開始日の申し合わせ事項(PDF)

となっているように、各都道府県によってバラツキがあるので注意が必要です。

 

よって、愛知県では、卒業式の翌日にいきなり働かせる、というのは研修や実習目的であってもNG。しかし、そうではない地域もあるので、自分の地域がどのような扱いになっているかわからないという場合はハローワーク等に問い合わせた方が良いでしょう。

ローカルルールを知らずに破って、次の年から求人募集を出してもらえない、となっては大変ですからね。

愛知県立昭和高等学校

自分と関係ない学校の写真貼るのもあれなので、母校のような母校でない学校の写真をWikipediaより拝借してきました。

By Grape oscillo - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

 

今日のあとがき

人手不足が顕在化して久しいですが、それに伴い高校生を欲しがる企業というのも増えた印象です。

ただ、高校の新卒求人はとにかく特殊な世界で、上記のようなローカルルールもあるし、本気で取ろうと思うと労働条件以外に、先生たちを味方に付けるのも重要だったりするので、いきなり募集して採用は難しい。そのため、その会社なりに経験を積む必要がある分野と言えるでしょう。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。