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中日新聞

テーマは療養補償給付、「労災治療は指定機関で(働く人を守る労働保険第20回:中日新聞連載)」

2017/02/02

 

けがや病気のため医療機関で治療を受けると、支払いは医療費の三割が一般的ですね。全額を負担しなくてすむのは、残りの七割を健康保険や国民健康保険で負担しているからです。

一方、労災保険では「療養補償給付」によって全額を負担してもらえます。労働災害に遭った人は自己負担がありません。さらに、療養補償給付は労災による傷病が治るまで給付を受け続けることができます。

ただ、ここで注意点。実はこの療養補償給付、治療を受けたのが労災保険の指定医療機関かどうかで支払い方法が違います。指定医療機関とはいわゆる労災病院のこと。名称に「労災」とついていなくても労災の指定医療機関になっていることは多く、病院以外の診療所や薬局が指定を受けていることもあります。

治療を受けた病院が指定医療機関の場合、窓口で労災であることを伝え、後日、療養補償給付の請求書を病院に提出すれば、医療費を負担することはありません。労災保険から病院へ直接、医療費が支払われます。

指定医療機関でない病院を受診した場合、治療費の全額をいったん支払わなければなりません。そして後日、労働基準監督署に療養補償給付の請求書を提出し、医療費を請求することになります。

労災保険では指定医療機関で治療を受けるのが原則。それ以外で受診する場合は、緊急性が高かったり、特殊な医療施設が必要だったりするケースとの考えです。指定医療機関以外で治療を受けると、一時的とはいえ労働者が医療費を支払う必要があり、負担が大きいです。労災で治療を受けるなら、指定医療機関で受けたほうが無難でしょう。

中日新聞H28.8.18付「働く人を守る労働保険」より転載

どうでもいい補足を1つ。

いや、実際には法律上決まってることなので、どうでもいいわけではないけど、わたしたちのような専門家以外は大半の人が「どうでもいい」と思うことなのですよ。

さっさと本題に入りますが、今回のテーマだった療養補償給付。

実は「補償」と入るのは業務災害の場合のみ。

通勤災害の場合は「療養給付」といい、「補償」は入りません。

もともと労災は会社がしなければならない補償を代わりに行うものという話を、この連載でもしましたが、

テーマは労災保険料、「すべて会社が負担する(働く人を守る労働保険第17回:中日新聞連載)」

通勤災害は会社がしなければならない補償の範囲外。

よって「補償」という文字は入らないのです。

来週の日曜は社労士試験ですが、さすがにこれをミスる受験生は試験に受からないと思う。それぐらい基本の「き」ですが、一般のかたはそこまで気にする必要はないと思います。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。