雇用保険制度

テーマは雇用保険の給付の種類、「育児など失業以外でも(働く人を守る労働保険第2回:中日新聞連載)」

2016年4月14日

こちらの記事でお知らせしたとおり、

わたし、今年の4月より中日新聞の生活面で労働保険の連載をさせてもらています。今日はその転載でお茶濁し

 

今回から本格的に雇用保険の話をしていきます。前回、「雇用保険は一般的には『失業保険』と理解されている」と書きました。しかし、実は雇用保険からお金がもらえるのは失業した時だけではありません。

例えば、育児休業や介護休業を取る人のための「育児休業給付金」「介護休業給付金」。育児・介護休業法は育児や介護で労働者が休むことは認めていても、休み中の生活費までは保障していません。そこで、雇用保険からお金を給付されています。

定年退職後に再雇用を定める会社でも、給与は下がることが多いですね。雇用保険には、減った給与の一部を補う「高年齢雇用継続給付金」があります。働き手が少なくなるなか、「給料が下がるなら辞めてしまおう」という人を減らし、長く働いてもらう狙いです。

失業した人の就職を促す「再就職手当」もあります。まだ失業保険がもらえるうちに、新しい会社では働くのはもったいないきがしますね。そこで失業保険を残して再就職した人に、もらいきらなかった分に応じたお金を支払うのがこの仕組みです。「失業保険をもらえる期間は働かない方が得」というのは誤解ですよ。以前の賃金より低い場合に差額を埋める「就業促進定着手当」、スキルアップしたい人が勉強費用に充てられる「教育訓練給付金」もあります。

戦後間もなく作られた失業保険法は、一九七四年に雇用保険法に変わりました。名称変更が示すように、働く人をめぐる状況の変化に応じて給付のメニューも変わっています。ちなみに失業保険と呼ばれる給付は雇用保険の根底ということで、法律上は「基本手当」といいます。六十五歳以上は「高年齢求職者給付金」が失業保険にあたります。(社会保険労務士)

中日新聞H28.4.14付「働く人を守る労働保険」より転載

 

というわけで、第2回目です。今回は雇用保険ってのは失業保険以外にもいろいろあるんだよ、という話です。

ただ、社労士目指す人以外は全部を全部覚える必要はないので、自分に関係のありそうなものをいくつかピックアップして心に留めておくと、いざというとき役立つと思います。

例えば、若い女性なら「育児休業給付金」のことを、今後転職予定がある人は「再就職手当」のこと、といった具合ですね。育休の方は会社がやってくれますが、再就職手当なんかは自分でやらないともらえないし。

というか、社労士目指す人は、上に上げた以外にも、「傷病手当」とか「就業手当」とか、おそらくハローワークでもほとんど給付が行われていないような給付のことも覚えておかないといけないんで大変なんですけどね。逆を言えば、誰も使わないような給付まであるくらい、雇用保険の給付は充実しているというわけです。

 

TwitterやFacebookでも呟いたけど、SmartHRの無料体験試してます。明日くらいその使い心地や感想を記事にできそうなのでお待ち下さい。昨日までの副業の話はまた来週書くつもりです。

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雇用保険、意外にメニューが豊富なのです

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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