雇用保険制度

テーマは労働保険とは、中日新聞で「働く人を守る労働保険」が始まりました

2016年4月7日

連載が始まりました

先日お知らせしたとおり、

中日新聞の方でわたしの連載が始まりました。以下、転載。

 

第1回 雇用保険と労災の総称

雇用保険と労災の総称

突然ですが、「労働保険」という言葉を目にしたり、耳にしたりしたことはありますか。「ある」と答えた人も「どのような保険か」と聞かれると、言葉に詰まるのではないでしょうか。「ない」という人も落ち込まなくて大丈夫です。それもそのはずで、労働保険とは「雇用保険」と「労働者災害保険」(労災保険)という働く人を守る二種類の保険の総称。労働保険という独立した仕組みがあるわけではないのです。

雇用保険は一般的には「失業保険」のことだと理解されています。労働者自身による共済活動として、失業者に手当を与えていたのが元祖とされます。この方法は頓挫しますが、のちに会社が賃金の一部を積み立てるように。そこへ公的な補助金が入るなど発展し、二十世紀初頭に世界で初めてイギリスで創設されました。いずれにせよ、労働現場の助け合いから始まっているんですね。

一方の労災保険は、仕事中のけがや仕事が原因の病気に対する備え。けがや病気でかかる医療費を補助し、働けない期間の暮らしを金銭的にサポートします。

こちらは、十九世紀後半のドイツで、当時盛んだった社会主義運動を弾圧するための「あめとむち政策」としてされたのが世界初。働く人たちを守る制度をつくることで、社会主義運動の弱体化を狙いました。労災保険は政治的な理由で生まれました。

対照的な経緯で誕生した二種類の保険は、日本では大正以降に少しずつ導入され、戦争や高度成長、少子高齢化など社会の変化に伴って形を変えながら私たちの暮らしと深く関わっています。

この連載はそんな労働保険がテーマ。次回からは、まず雇用保険について解説していきます。分かりやすくてためになる内容を心がけますので、九月末までお付き合いをお願いします。(社会保険労務士)

中日新聞H28.4.7付「働く人を守る労働保険」より転載

 

第1回の裏話

このブログを書いている人間と本当に同一人物か、ってなぐらい、なんというか真面目でよそ行きの文章です。まあ、担当者の方にだいぶ直してもらったってのもありますが。

本当は今日は、記事の転載だけして、これから毎週木曜日はブログの更新をちょっと楽しようと思っていたのですが、ちょっとだけ裏話。あ、先に言っておきますが、毎回毎回裏話があるとは思わないようにしんどいときは転載だけで済ます気満々なので。

で、今回の内容なのですが、第一回目ということもあり、なんと雇用保険と労災保険の歴史について触れています。

これは担当の方からのアイデアで、わたしの中から絶対に出てこないものなので、提案されたときは驚いたし、正直不安もありました。というのも、社労士って、雇用保険や労災保険の仕組みはわかってても、その歴史までは流石に知らないので(笑)。

結果的には、四苦八苦しながらも、勉強になることも多かったので、こうした始まりでよかったのかなあ、と思っています。

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新聞を写メってくるの忘れたので、猫の画像でお許しを

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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