Q5 急な仕事の依頼により限度時間内で、業務を終わらせることができません。どうすればいいですか

2015年10月14日

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Q5 急な仕事の依頼により限度時間内で、業務を終わらせることができません。どうすればいいですか

2015年10月14日

A5 特別条項付きの36協定を新たに労使間で結びましょう

限度時間を超える場合は特別条項付きの36協定が必要

いくら36協定を出していたとしても、36協定を超える時間外労働をさせた場合、それは違法な時間外労働になってしまいます。

そのため、企業が時間外労働をさせられる限界は、厚生労働大臣が定める限度時間ということになります。なので、会社としては常にその限度時間内で日々の業務量をこなせるよう、労働者を配置したり、業務の効率化を進める必要があります。

しかし、突然の仕事の発注があったりなど、時には会社の想定を超える業務が短期間に集中することがあります。

特別条項とは、こうした予期できない特別の事情(臨時的なものに限る)があったときに限り、一定期間についての延長時間を定めることにより、限度時間を超える時間外労働を可能とするものです。

特別条項付き協定を締結する場合、「①限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨」および「②限度時間を超える時間の労働にかかる割増賃金率」を定める必要があります。

また、限度時間を超えて労働時間を延長する場合、「その時間をできるだけ短くする」、「割増賃金率を2割5分以上を超える率を定める」ことを、厚生労働省は努力義務として企業に課しています

 

限度時間を超える場合に気をつける必要のある4つの規制

特別条項付きの36協定によって限度時間を超える場合もその労働時間は無制限ではありません。

時間外労働の上限規制では、限度時間を超える場合に以下の4つの規制を設けているため注意する必要があります。

  1. 年間の上限となる時間外労働は720時間まで
  2. 休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80 時間以内(※)
  3. 休日労働を含み、単月で100 時間未満(※)
  4. 限度時間を超えられるのは年6回まで(現行制度と同じ)

※ この2つについては、厳密には限度時間を超えなくても抵触する可能性があるが(休日労働時間数が極端に多い場合にそうなる)、現実的には限度時間を超えての抵触の可能性が圧倒的に高いため、ここに含めている

 

時間外労働についてのQ&A

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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