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労働法 就業規則

社長のコミュニケーション力を就業規則に外注していく

2016/04/20

社会秩序とコミュニケーション、という池田信夫先生のブログ記事は興味深いものがありますね。

記事の要旨としては、人間社会はコミュニケーションによって社会秩序が維持されてきたが、コミュニケーションだけで社会秩序を維持するのはコストが大きいため宗教や契約が生まれたが、「空気」という言葉に代表されるように同調圧力の高い日本社会では、今でもコミュニケーションが社会秩序の維持に大きく貢献している、というものです。

これを踏まえて、中小企業、特に創業者が健在のオーナー企業は、社長のコミュニケーションによって企業秩序が維持されている、と考えると、そうした企業の就業規則が長いこと改定されずに放置されていることが多いことも頷けます。ようは、社長がルールブックなので、わざわざ就業規則に頼る必要がないわけです。

はっきり言って、こうした企業に対して無理に規定やリスク回避事項の詰まった就業規則を勧めてもタイムカプセルよろしく、放置されてしまうのがオチでしょう。

では、こうした企業では未来永劫、就業規則は必要ないのでしょうか。

そんなことはありません。たかの友梨ビューティークリニックの件を見れば明らかですが、会社が大きくなればいくらカリスマ社長といえど、そのコミュニケーション力だけですべてに対処するのは不可能です。また、かつては「宗教」のような役割を持っていた終身雇用や年功序列型賃金に代表される日本型雇用も今では信頼を失っており企業秩序維持の機能を果たしていません。

そんななかで、いわば「契約」といえる就業規則やマニュアル、その他社内規程が果たす役割は、会社が大きくなればなるほど、大きくなることは当然といえるわけです。

なので、オーナー企業の場合でも、社長のコミュニケーションで対処していく部分と、就業規則にアウトソーシングしていく部分をきちんと意識して、会社の成長に合わせてその配分を変えていくことが肝要なのではと思います。
 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。