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社労士は労使間で中立の立場、だけれども・・・
中立であることは倫理綱領で明記
社会保険労務士の倫理綱領でも「社会保険労務士は、品位を保持し、信用を重んじ、中立公正を旨とし、良心と強い責任感のもとに誠実に職務を遂行しなければならない。」とあります。
なので、社労士は会社側、とよく言われますが、これは間違い、
・・・と断言しづらいのが、なんとも歯がゆかったりします。
社労士の主な商売相手は経営者
というのも、社労士が売ることのできる商品を見たときに、労働者側に売れるものはほとんどなく、そのほとんどが会社側の人に需要のある商品です。
就業規則の作成やその他規則の整備、労働保険や社会保険の手続きの代行などのサービスは、労働者がお金を払って買うことはまずありません。
加えて、労働者に関する業務は、監督署や労働者側の弁護士、労働組合・ユニオンなどと競合関係にあり、結果、社労士が労働者側の人に選ばれないということが起こります。
経営者側のように見える理由は客層の問題
要するに、社労士というのは、会社側には一定の需要がある一方で、労働者側にはあまりないけど、立場的には中立でいないといけない、というなんともバランス感覚の難しいところに置かれているわけです。
ただ、そのバランスがあまりに歪むとこういうことを言う人が出てくるので、「中立である」という意識は重要だと思っており、わたし自身もそういう歪みに取り込まれないよう「友好な労使関係が会社を元気にする」という信念を持って、社労士業務を行っています。
今日のあとがき
最初は水曜日更新だったこの四コマですが、PV等の観点から一度土曜に更新日を移行、したのはいいんですが、先週はまさかのわたしの更新忘れ(本当にすいません)により、今回はなんとも中途半端な時期の投稿となってしまいました。
一応、この四コマは全12回で完結、つまり、残り3回ですが休みの日の更新だと忘れる可能性が高いので、今週にもう一回、金曜日に更新した後は、また水曜に更新日を戻して公開していきたいと思います。
よろしければ最後までお付き合いいただければと思います。
今日のお知らせ
弊所代表の川嶋の新しい本が出ます。その名も、
「条文の役割から考える ベーシック就業規則作成の実務」(日本法令)
本書は、その条文はどうして必要なのか、どうしても必要なのか、いらなかったら削除していいのか、と、個々の条文の必要性にフォーカスを当てた就業規則本となります。
なぜ、本書で就業規則の個々の条文の必要性に焦点を当てたかというと、日々の就業規則作成業務で「この条文はどういう意味か」「この条文は変えられないのか」「この条文は削除できないのか」といった質問、要望をお客様から受けることが多かったので、ならば、本でそれらをまとめてしまおうと思ったわけです。
本書には魔法のような条文も奇策のような条文もありませんが、ベーシックな就業規則を作成するのにお力になれる就業規則本だと思っています。