名古屋で就業規則作成するなら社会保険労務士川嶋事務所

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Q8 1年単位の変形労働時間制の期間の途中で新入社員が入ってきました。なにか気をつけることはありますか?

A8 その労働者の労働時間が平均週40時間を超える場合、期間を精算し、時間外手当を支払う必要があります

例えば、4月から9月は比較的暇だけど、10月から翌年の3月まではかなり忙しい、という事業所があったとします。

そして、その事業所は4月1日を起算日とした1年単位の変形労働時間制を利用して、閑散期は労動時間少なめに、繁忙期は労働時間が多めになるよう変形させています。

このような事業所に新入社員が10月に入社した場合、入社した10月から翌年の3月までずっと繁忙期の中で働くことになります。

1年単位変形労働時間制は1年という長期の期間で所定労働時間が週平均で40時間以内になるよう変形することができる制度です。

しかし、この例の新入社員の場合、閑散期に業務を行っていないこともあり、入社した10月から翌年の3月までの期間の週の労働時間を平均すると40時間を超えることが考えられます。

これは期間の途中で会社を辞める従業員も同様で、繁忙期だけ働いて閑散期に働かずに会社を辞めると、週平均40時間を超えている場合があります。

このような場合、会社は週平均40時間を超えている分について、時間外手当等を支払い精算しないといけません。

例えば、変形期間の途中で入社した労働者の週平均の所定労働時間が42時間あった場合、この2時間分を時間外手当として支払う必要があります。

具体的な計算方法は以下のとおり。

  • 変形期間:4月~翌年の3月まで
  • 4月から9月は閑散期で週の平均労働時間は36時間
  • 10月から翌年の3月までが繁忙期で、この時期の週の平均労働時間は44時間

上記の会社に、10月から12月までの12週間、働いていた労働者がいたとします。

週平均の法定労働時間は「40(時間)×変形期間の暦の日数÷7」で求めるので、

  • 40×84日÷7=480(時間)

となります。

一方、平均労働時間が44時間で12週働いたとすると、12週間の労動時間の総労働時間は、

  • 44×12=528(時間)

となります。

よって、

  • 528-480=48(時間)

1日や1週の時間外手当とは別に、この48時間分の時間外手当を支払う必要があります。

 

過去にさかのぼって時間外手当の計算をやり直すわけではなく、足りない分の時間外手当を後で支払う仕組みになっている点にご注意ください。

 

Q1 1年単位の変形労働時間制を導入した場合、残業代計算はどうなりますか?
Q2 1カ月単位の変形労働時間制を導入した場合、残業代計算はどうなりますか?
Q3 1週間単位やフレックスタイム制を導入した場合、残業代計算はどうなりますか?
Q4 異なる部署や労働者ごとに異なる変形労働時間制を利用することはできますか?
Q5 派遣社員やパートのように非正規の労働者にも変形労働時間制は適用できますか?
Q6 変形労働時間制は未成年者や高齢者、育児中の女性に適用しても大丈夫ですか?
Q7 3年の長期の期間や半月などの短期の期間でも、変形労働時間制を利用することはできますか?
Q8 1年単位の変形労働時間制の期間の途中で新入社員が入ってきました。なにか気をつけることはありますか?
Q9 うるう年の場合、1年単位の変形労働時間制で気をつけることはありますか?
Q10 フレックスタイム制を利用しているのですが、労働時間が不足している場合、給与から引いても問題ありませんか?