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働き方改革

もはや労働者の無知を前提に労務管理できる時代ではない

ご報告が遅れてしまいましたが、今月20日に拙著「「働き方改革法」の実務」の改訂版が出ます。

改訂前のものは昨年6月末に成立した働き方改革法への対応がメインでしたが、それ以降の働き方改革に関連する省令の改正や通達などに対応するため、昨年7月末の刊行から異例の早さでの改訂版の発売となります。

改定前から70ページ以上の増量、お値段も少し上がっていますが、お手にとってもらえると幸いです。

これからの労務管理を考える

久しぶりの更新を宣伝だけで終わるのもなんなので、今日はこれからの労務管理について考えてみたいと思います。「なんなので」で書くにはちょっとテーマが重いですが、法律や制度の解説は宣伝とは別の記事でやった方がいいかなと思ったので。

さて、これからの労務管理を考えていく上で、わかりやすいところでいうと働き方改革に関する労働基準法等への対応です。

特に年次有給休暇の年5日の取得義務と時間外労働の上限規制への対応は罰則があることもあり必須です。

 

働き方改革法にまつわる抜け穴的対策方法

しかし、これらの改正は、これまで長時間労働や労働者の年次有給休暇取得なしを前提に業務を行ってきた会社からすると、今回の規制は経営に大きな影響を与えるものとなっています。

そのため、なんとか規制の影響を避けようとする動きはないわけではありません。

具体的にいえば、法定休日に労働させることで上限規制に対応する、これまで休日だった日を年次有給休暇扱いとする、といった方法です。

確かにこういった対応は違法ではないけれども、本当にやっていいのか、という問題はあります。

 

今と昔で異なる労働者の労働法等に関する関心や知識

これは道義的な意味とか行政にいい顔をするといった意味で問題があるということではありません。

より現実的な問題です。

今と昔では、労働者側の労働法等に関する関心や知識は比べものになりません(その知識は私たちのような専門家からすると中途半端だったり間違っていたりもしますが、そこは重要ではありません)。

そうした知識があって、会社が自分たちの知ってることとは異なること、違法のように思えることをしていると感じたらどうでしょうか。

違法のように思えても実際には違法ではないので監督署に駆け込まれても、それを理由に会社に是正勧告等がされることは考えづらいですが、労働者が不満に感じることは間違いないでしょう。

そして、労働者が会社に不満を抱けば、当然、労働者の離職を招く可能性があり、人手不足の現状では求人も非常に困難なため、経営面で問題が出る可能性が高まります。

 

抜け穴的な労務管理のリスク

繰り返しになりますが、今と昔では、労働者側の労働法に関する関心や知識は比べものになりません。

法の抜け穴を突くような労務管理は、いわば労働者の労働法等に関する無知・無関心を利用していたともいえます。

しかし、今ではそのような労務管理にも一定のリスクがあることを踏まえる必要があります。

そして、どうしても、抜け穴的な管理をせざるをないのであれば、最低限、労働者への説明は必須で、将来的にはそうした状況を解消していく必要があるでしょう。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。