新書なのですぐ読めるかと思ってたら意外にもボリュームがあって、読もう読もうと思ってはいても後回しにしていたこちらの本をようやく読み切りました。
電子書籍で買うと、買う前に本のボリュームが予測できないのはちょっとした難点かもしれません。
といっても、AmazonのKindleで買う場合、購入ページに「紙の本にすると○○ページ」という表示があるので、今回はそれを見落としてたわたしのミスですが。
本書は平成元年前後から昨年となる平成29年までという、平成の政治史をまとめたもので各年代の政治家たちの権力闘争や政策、政権交代などが時系列に沿ってまとめられています。
特に時の首相たちがどういった経緯でその地位に就き、その期間中に何を成し、そして追われていったかについてはかなりの筆が割かれており、その結果、この平成の30年のあいだに政治や権力を巡るルールがどのように変遷していったのかがわかる内容となっています。
わたしは1985年生まれで、きちんと日本の最高権力者として首相を認識したのが細川護熙首相でした。
その後、政治のことがなんとなくわかるようになってくるには第二次橋本内閣の末期もしくは小渕首相の頃まで待たないといけませんが、いずれにせよ、本書で書かれてることのほとんどは自分が成長し大人になっていく過程で見ていたニュースばかり。
言い換えれば、わたしの世代直撃ともいえる政治史を駆け足ながら振り返り、その裏側を解説してくれるわけです。
おかげで、出てくる部署や人名の多さの割に、わたしにとっては興味がそそられ読みやすく感じました。
そう言ったわけで本書は、わたしにとっては世代直撃の分、評価にボーナスがあるものの、それ以外の人たちにとっても過去の小泉会改革や、民主党政権の混乱の裏側、さらには現在の安部一強政治に至る流れをつかむ上で本書は最適かと思われます。
また、これだけ事実だけを淡々と記述されると、ネットでよくある政治の陰謀論がいかに荒唐無稽かもわかるはずです。