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ホワイトカラーエグゼンプション 働き方改革 裁量労働制

特定高度専門業務・成果型労働制の「健康管理時間」ってなに?

2018/11/16

今月の初めは働き方改革に関連して裁量労働制のことが国会で紛糾してたはずですが、今や働き方改革の「は」の字も聞こえてきませんね。

この働き方改革法案に関しては、今国会で通るにしても裁量労働制(企画業務型裁量労働制、専門業務型裁量労働制)に関する部分の削除はほぼ間違いなしと言われています。

一方、高度プロフェッショナル制度やホワイトカラー・エグゼンプションと呼ばれていた「特定高度専門業務・成果型労働制」についてはどうなるか微妙なところ。

今回はこの特定高度専門業務・成果型労働制に関係する話。

 

特定高度専門業務・成果型労働制と健康管理時間

特定高度専門業務・成果型労働制の最大の特徴は、この制度の対象労働者には「労働時間」という概念がないという点。

日本の労働法の基本は「労働時間によって賃金を決める」であり、その証拠に最低賃金は時給で決まっているので、これは異例中の異例です。

ただし、「特定高度専門業務・成果型労働制」の対象労働者にも「労働時間」のようなものは存在します。

それが「健康管理時間」です。

特定高度専門業務・成果型労働制の対象労働者の健康管理時間とは具体的には、以下の時間を言います。

健康管理時間=「事業場内にいた時間(※)」+「事業場外において労働した時間」

※ 労使委員会で「労働時間以外の時間を除く」ことを決議することも可能

 

健康管理時間が重要となる場合

さて、会社が労働者の労働時間を把握する必要がある理由は大きく分けて2つあります。

1つはすでに述べたように労働者の賃金を決定するため、もう1つは労働者の健康を管理するためです。

健康管理時間とは、この2つの労働時間の役割のうち、健康を管理する部分を引き継いだようなもので、会社はこの時間数を把握し、特定の措置を取る必要があります。

どのような措置が必要かというと、これも大きく分けて2つ。

健康確保措置

1つ目は、特定高度専門業務・成果型労働制の対象労働者に対して会社が行わないといけないとされている健康確保措置。

健康確保措置は以下の4つの中から最低でも1つを選んで行う必要があります。

 

  1. 勤務間インターバル制度の導入、かつ、省令で定める回数以下とする1か月の深夜業回数の制限
  2. 健康管理時間を1ヶ月又は3ヶ月についてそれぞれ、省令で定める時間を超えない範囲内にする(健康管理時間の上限規制)
  3. 1年に1回以上、継続した2週間以上の休日の確保(労働者が請求する場合は、年2回以上の継続した1週間の休日)
  4. 健康管理時間の状況その他の要件が省令に定めるものに該当する者に対する健康診断(厚生労働省令で定める項目を含むものに限る。)の実施

 

このように、上記4つのうち、1,2,4の3つが健康管理時間にかかわる措置となっています。

労働基準法では健康確保措置とは別に「健康管理時間に応じた健康及び福祉を確保するための措置」というものも行う必要があるとしていますが、これに関連する省令が未確定なので、健康確保措置との違いはまだ明確とはなっていません。

 

医師の面接指導

2つ目は医師の面接指導です。

先日も記事にしましたが、労働安全衛生法では「健康管理時間が1週間当たり40時間を超えた場合のその超えた時間が1月当たり100時間を超えた」場合、「医師の面接指導」を行う義務が発生します。

「医師の面接指導」ってどんなときに必要? 働き方改革で変わることって?

 

以上です。

そもそも特定高度専門業務・成果型労働制の導入のハードルが高いので、多くの会社にとってはあまり関係のないものかもしれませんが、今後、特定高度専門業務・成果型労働制が始まるとこうした言葉を聞くことも増えるかもしれないので、最低限、混乱しないくらいの知識はあった方がいいかと思われます。

事務所近くの桜が見頃だったのでパシャリ。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。