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日本のプロライセンスの存在意義が崩れかけてる話とちょっとだけ副業の話(2/18手のひら返しの追記)

2018/02/18

※2月18日(日)のdaigothebeastv「ゲームと金」を見ての手のひら返しのあとがきを追記しました。

プロゲーマーと副業の話についてはこのブログでも何度か書いてますが、その頃のプロゲーマーというのは、基本的にはどこかの企業から直接スポンサードを受けた人やスポンサードされたゲーミングチームに所属する人たちを指していました。

それが最近になってJeSUというプロゲーマーを統括する団体ができ、その団体がプロライセンスを発行し、それを獲得することでプロゲーマーになれる道が拓かれることになったのですが、これが大きな波紋を呼んでいます。

日本ではゲーム大会で10万円以上の賞金を出すことが基本的にできません(やってるところもあるけれど、それはいろいろな方法で法律違反を回避しているから)。

そこで、「賞金付き大会を開く際はライセンス保持者は賞金をもらえる一方、持ってない人は参加はできるけれど勝ち上がっても賞金をもらえないようにする(かなり意訳)」ということをするため、プロライセンス制度を作ったというのがJeSUの説明です。

これだけ聞くと、日本のプロゴルファーとアマチュアゴルファーのような感じなので、確かに合法のように思えます。

アマチュアゴルファーはなぜ賞金が貰えない!?副賞まで!?

 

プロライセンスっている?

しかし、以下の木曽崇氏の記事によると(というか、今回のことはほとんどこの記事で知ったので、より詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください)、

JeSUがついている重大なウソがほぼ確定

実際には、大会の日程を複数に分け(つまり、別日に予選を行い)、大会最終日に勝ち残った選手全員と賞金という名の「ギャラ契約」を結ぶという方法こそJeSUの手法なのではないかというのが、メディアから出てくるJeSU側の発言などから明らかになってきたわけです。

これだとJeSU側が表向きに行っている発言と明らかに異なる方法で賞金を支払ってることになります。というか、これだと支払っているのは賞金ではなく(労務)報酬です(わかりやすくこの記事ではギャラといいます)。

大会最終日に勝ち残った選手全員と「ギャラ契約」を結ぶわけですから、一円ももらえない人が出ないよう大会最終日に残った時点で賞金が必ずもらえる状態にしておかなければ「ギャラ契約」は成立しません。

実際、先週末に行われたニコニコ闘会議のストリートファイターVの大会も、闘会議前に2日に分けて予選を行い、闘会議本番で勝ち上がった4人が雌雄を決しましたが、その4人は負け負けで終わっても、最低で20万円もらえる状態から始まっています(※)。

また、JeSUの説明が真実なら、アマチュアゴルファーが最終日に残って上位でフィニッシュしても賞金はもらえない、というようなことも起こりえるわけですが、予選を勝ち抜き大会最終日に残った選手全員と「ギャラ契約」を結ぶのが法令適用の手法であるなら、そういうことは起こりえないでしょう。

何より「ギャラ契約」を結ぶのにプロライセンス保持者である必要がどこにもないため、プロライセンスってなんのために発行するの? という話になってしまいます。

ネットの意見では、「賞金」と呼ばれてたものが実は「労務報酬」だったことが話題になっているようですが、実際にはプロライセンスの存在意義そのものが問われていることに今回の問題の本質があるように思います。

 

※2月17日追記:ストリートファイターVは事前に賞金をもらえる選手を確定する方式でしたが、鉄拳7は8人中4人がプロライセンスと賞金を獲得できる大会を1日でやっているので、どのようにそのあたりをクリアしたのか気になるところです(JeSUの言うようにライセンスでクリアしたのか、木曽氏が言うように労務報酬でクリアしたのかも含めて)。

※2月18日追記:2月18日(日)のdaigothebeastv「ゲームと金」という配信で大会での報酬は「賞金」ではなく「労務報酬」であることが明らかになっています。

 

プロゲーマーと副業

ここまでは社労士のブログでも何でもないのですが、以下からは少しだけ、というか無理矢理、労務管理の話。

JeSUはプロライセンスを保持することが「副業」に当たることを理解していたため、事前の説明で取得意思がある場合、勤務先の会社や学校に取得しても良いかきちんと確認するよう言っていたそうです。

プロライセンスを取得したことで会社の副業禁止規定に違反したり、学校の校則に違反しては大変だからという彼らなりの配慮でしょう。

会社としてこうした「プロゲーマーという副業」にどのように対応したらいいかは、昔書いた記事の状況と変わっていません。

副業の多様化が進んでる!?職場にプロゲーマーやランカーが現れた時の労務管理の話

兼業プロゲーマーを雇用する会社対応の実例と副業・兼業の今後

これはプロライセンス保持するプロゲーマーも同じと推測されます。

ただ、当時と比べると副業・兼業の容認を盛り込んだモデル就業規則や正式な副業・兼業のガイドラインが公表されるなど、副業・兼業を一律に禁止することはどんどん難しくなっています。

とはいえ、ゲーミングチームで雇用される場合を除けば、基本的にプロゲーマーは個人事業主なので、仮に容認したとしても法的な縛りや会社の責任はほとんどないため、業務に支障がない限りは容認してもいいのではないかとおもいます。

今日のあとがき

今回のプロライセンスの話が書きたくて、最後は無理矢理、副業のことをくっつけました(笑)。

でも、内容としては全然笑えません。

なにせ、法的に意味のないプロライセンスをぽっと出の団体が発行するというのは「プロゲーマーとは俺たちが認めた連中のことだ」と言わんばかりの暴挙。

プロゲーマーという言葉がほとんど浸透してなかった時期からプロゲーマーとして活動していた人たちの功績にただ乗りするどころか、それを横取りしているようにしか思えないからです。

幸い、わたしがよく見るカプコンカップというストリートファイターVの大会は、このプロライセンスとはほとんど無関係(関係あるのは日本で行う予選大会のみ)なので、視聴ボイコットくらいはできるかなと思います。

※2月18日追記:2月18日(日)にdaigothebeastvにて主にゲーム関連(といいつつ多くはスト5関連)の関係者集めた座談会「ゲームと金」という配信がありました。
daigothebeastvの緊急座談会!ゲームと金をwww.twitch.tvから視聴する
その中で大会の報酬はやはり「賞金」ではなく「労務報酬(ギャラ)」ということがほぼほぼ明らかになりました。

ただ、そこは「重要」だけど「核」ではないのかもしれないな、と思ったのが今回の配信を見ての感想です。

前のあとがきではJeSUを悪の組織みたいに書いてますが、そもそもJeSUという団体自体に大きな影響力はなさそうだし(賞金を払うのは各メーカーだし、ライセンスの発行基準を決めるの各メーカー)。

もちろんお金がどのように支払われるかは、場合によっては法に触れることなので最低限抑えないといけない点なので、そこを疎かにしたのは失策だと思いますけどね。

それより、自分の大好きなプロゲーマーの人たちがもっと世間に受け入れられていく上で「ライセンス」と言うものは世間一般にわかりやすいし、リーチしやすいのであれば、ライセンスという肩書自体には意味があるのではと思い、意義がないというのは言い過ぎだったかなと思っています。

 

わたしはこの本でプロゲーマーのことを知り、著者の梅原大吾が配信を始めるようになってプロの大会などをみるようになりました。立派なウメハラ信者です。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。