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働き方改革 副業

「副業・兼業のガイドラインのQ&A」でちょっとだけ明らかになった労働時間通算のこと

先月末にようやく副業・兼業の原則解禁を盛り込んだモデル就業規則が公表されるなど、最近になってようやく働き方改革にかかる副業・兼業関連の厚生労働省の発表がいろいろされるようになってきました。

まあ、個人的には自分の関連してる仕事の兼ね合いもあって「タイミング悪いなあ」とか思ってたりするんですが、まあ、それはあくまでわたしの都合。

で、その中で出てきた「「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A」というのがなかなかのくせ者。

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」 Q&A

というのも、副業・兼業に関しては特にダブルワーク型副業については「異なる事業場での労働時間通算」がネックとなっていて、どうネックになっていたかというと「複雑な上に、統一的な解釈がない」というなんとも終わった状態ありました。

しかも、こうした状態に一定の答えを出すと思われていた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も労働時間の通算に関しては逃げに逃げており、「おまえホントに○○○○ついとんのか!?」とヤンキーに凄まれてもしょうがない内容となっていました。

一方の、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をフォローするものとなる「「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A」では、完全ではないものの、厚生労働省としての労働時間通算に関する考えが示されています。

ヤンキーに凄まれてる彼氏よりも、その隣にいた彼女の方が冷静で優秀で肝も据わっていたというわけです(なんのこっちゃ)。

 

時間外手当の支払い義務は「時系列的に後で契約した方」

「異なる事業場での労働時間通算」に関して問題となるのが時間外手当です。

労働者の労働時間が法定労働時間を超えた場合、時間外手当を支払うのは主と副どちらの事業場なのか、ということです。

これについて過去の通達では「1日のうち後に働かせた方」となっていましたが、労働法コンメンタールでは「時系列的に後で契約した方」とされていて、考えが統一されていませんでした。

ていうか、労働時間の通算の入り口から統一されてないってどうなってんだって話。

しかし、今回、「「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A」で、

通算により法定労働時間を超えることとなる所定労働時間を定めた労働契約を時間的に後から締結した使用者が、契約の締結に当たって、当該労働者が他の事
業場で労働していることを確認した上で契約を締結すべきことから、同法上の義務を負うこととなります。

と、記載されたことで、厚生労働省としては基本的に「時系列的に後で契約した方」に時間外手当の支払い義務(および36協定の提出義務)があるとの考えが示されました。

 

他の事業場で働いていることを知っていながら時間外労働させる場合

また、以前から、労働法コンメンタールでは「他の事業場で働いていることを知ってる限り、後で働いたか、後で契約したかにかかわらず、法定労働時間を超えて働かせた方に支払い義務がある」という考えを示しています。

つまり、一方のAという事業場で4時間働いた後に、もう一方のBという事業場で4時間働く労働者がいた場合、1日のうち後に働いたかや、後で契約したかにかかわらず、法定労働時間を超えて働かせた方に時間外手当を支払う義務があると言うことです。

今回のQ&Aでもこの考えを肯定しており、よって、上記のAとB、どちらが時間外労働させたとしても、支払い義務があるのは4時間を超えて働かせた方となります。

 

とはいえ、時間外手当に影響のある労働時間の通算に関して明確になったのはここまで。隣にいた彼女は肝は据わってても知識が足りなかった模様。

上限規制との絡みは? とか、週の起算日が違う事業場同士の通算は? とか、個人的にもっと気になる点はありますが、Q&Aでもその辺はやっぱりスルーでした。

 

主と副で労働時間を通算しないもの

次に労働時間を通算しないものについてです。

安全衛生法で義務づけられている健康診断について、短時間労働者の健康診断の実施義務については「通常の労働者の週所定労働時間4分の3以上ある者」としています。

この「週所定労働時間4分の3以上」について、主と副の事業場の労働時間を通算するかどうかについても今回のQ&Aで明示されており、厚生労働省の考えは「通算しない」となっています。

同様に、長時間労働が原因の労災に関する労働時間については「通算しない」との回答。

この2つに関してはもともと、そのように解されていたので、特に驚きはありませんが、書いてあるとないとでは大違い。

書いてない「長時間労働者の面接指導」のやつはどうしたらいいんだって話ですからね(こちらもおそらくは通算しないはず)。

 

以上です。

内容としては、2つあった一番最初の入り口がようやく1つに統一されただけって感じですが、労働時間の通算に関してはまだまだ不明点が多いので、ダブルワーク型副業に関しては、正直まだ様子見でもいい気がしますね。

今日のあとがき

本日、給与計算本部事務所の社長のPCのHDDをSSDに換えてあげたら、PCが見違えるほどに速くなったと感動しておりました。

みなさんも、PCが遅いなと思ったらメモリとかCPUとかを疑って慌てて買い換えたりしないで、OSの入ってるHDDをSSDに換えるのが何より効果的ですよ

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。