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派遣

働き方改革と同一労働同一賃金のための改正労働者派遣法を解説(施行は平成31年4月1日予定)

(以上がお知らせ、以下から本題)

このブログの更新が滞るあいだに、世間では総選挙が行われ、結果は自民党の大勝。

これでようやく労働法関連の法改正が行われるはずですが(選挙によって、すでに今年の臨時国会で改正されるはずだった予定が飛んでるんだけど)、憲法改正を優先されるとまた飛ぶ可能性が否定できないのが怖いところ。

で、今日は来年の通常国会で改正されるであろう法改正の中から派遣法について取り上げてみたいと思います。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(リンク先PDF 参照:厚生労働省・第141回労働政策審議会労働条件分科会)

 

目的は派遣労働者と派遣先の労働者との間の格差の是正

派遣法が改正されるというと、これまでは規制強化や規制緩和の話が主でしたが、今回はちょっと毛色が違います。

というのも、今回の派遣法改正は働き方改革における同一労働同一賃金達成のための改正だからです。

具体的に言うと、派遣労働者と、派遣先で働く派遣労働者と同様の仕事に就く労働者の賃金が同一、または近づけるための改正です。

細かな部分を含めると、今回の労基法の改正並みに改正項目が多いので、努力義務などは省いて、今回は主だったところだけをピックアップして解説したいと思います。

 

① 待遇に関する情報の提供

今回の改正で最も大きな改正点となるのがこちら。

派遣労働者を受け入れる側(派遣先)の会社は、人材派遣等を行う会社(派遣元)と労働者派遣契約(※)を結ぶ際は、派遣先は派遣元に対して「比較対象労働者」の賃金その他待遇に関する情報を提供しないといけなくなります。

「比較対象労働者」とは派遣労働者と「業務内容等」が「同一と見込まれる」派遣先の労働者のことです。

ここでいう「業務内容等」とは、「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲」のことを言います。

つまり、派遣先は派遣労働者を派遣してほしいと、派遣元と労働者派遣契約を結ぶ場合、派遣されてくる派遣労働者と同等の業務をしている自社の社員の賃金や待遇等の情報を派遣元に提供しなければならないわけです。

ちなみに、派遣元に提供した情報に変更があった場合は遅滞なく伝える必要があり、また、派遣元はそうした情報提供がない場合、労働者派遣契約は締結してはならないとされています。

よって、派遣元からしても情報提供を受けていなかった場合に、「(派遣先が)教えてくれなかった」と言い訳することはできない構造となっています。

※ 派遣契約というと労働者と人材派遣会社のあいだで結ぶ契約をイメージしがちですが、正しくは派遣先と派遣元の会社が労働者の派遣について結ぶ契約を言います。ここでは当然正しい意味で使われています。

 

② 不合理な待遇の禁止等

今回の改正で、派遣元は雇用する派遣労働者の給与や待遇について、派遣先に雇用される通常の労働者の基本給や賞与その他待遇において、不合理と認められる相違を設けてはならない、とされます。

また、派遣期間中(派遣開始から終了まで)に関しても、基本給や賞与その他待遇について、派遣先の通常の労働者と比べて不利なもとしてはならないとしています。

最初だけ相違を設けずにいて、派遣期間中に不利なように変えちゃう、というのもダメなわけです。

不合理かどうかについては、「職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められる」かどうかが判断材料となります。

ただ、派遣先の労働者と比べて賃金などの待遇が不合理かどうかは、派遣先の労働者の情報がわからないと、派遣元はどうしようもできない、ということで、①の義務が派遣先に課せられているわけです。

 

③ 労使協定

ただ、②を徹底するとなると、会社は派遣労働者の派遣先が変わるごとに賃金や待遇を見直す必要が出てきます。

これは派遣元の会社としても負担だし、派遣労働者側からしても派遣先によって賃金が変動するのは、生活の安定を欠きかねません。

よって、派遣元の会社と過半数代表者と労使協定を結ぶ場合に限り、②の規定を適用しないことができます。

労使協定で定める必要のある項目は以下の通りとなります。

  1. 協定の対象となる派遣労働者の範囲
  2. 1.の派遣労働者の賃金決定方法(「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額として省令で定めるものと同等以上の賃金額」もしくは「職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に賃金が改善されるもの」である必要がある)
  3. 賃金の決定に当たって、職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価し、その賃金を決定すること
  4. 賃金以外の待遇の決定方法
  5. 派遣労働者への段階的な教育訓練の実施
  6. その他省令で定める事項

当然、2、4、5、で決めたことを遵守しない場合や、3で定めたような公正な評価が行われない場合、この労使協定は効力を発揮しません。

そして、この労使協定は監督署等への提出の必要はありませんが、労働者への周知は必要です。

また、派遣元の派遣先への通知義務項目にはこの協定の対象派遣労働者かどうかが追加され、派遣元管理台帳派遣先管理台帳にも、この協定の対象派遣労働者であるか否かの別を追加で記載する必要があります。

 

④ 待遇に関する事項等の説明義務

派遣元は労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、文書の交付等による労働条件等の明示が必要です。

これ自体は法律に以前からある定めですが、今回の改正で追加される「賃金、待遇に関する不合理な差別、労使協定の内容」についても加えて説明する必要があります。

これは実際に派遣するときも、同様です。

これに加えて、派遣元は雇用する派遣労働者から求めがあったときは、派遣先の比較対象労働者との待遇差や、賃金、待遇に関する不合理な差別に対する措置や、労使協定の内容の決定に当たって考慮した事項について、説明しなければなりません。

また、説明を求めた派遣労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをすることは禁止です。

 

⑤ 適正な派遣就業の確保

改正で、派遣先は、派遣労働者に対して、同種の業務を行う派遣先の労働者に教育訓練を行う場合、派遣労働者にも同様に実施するなど、必要な措置を講じなければならなくなりました。

また、福利厚生施設に関しても利用の機会を与えねばならないとしています。

以上のように、派遣労働者だからといって、就業に関する様々な面で差別してはいけないことが明確化されています。

 

⑥ 公表

新たな勧告・公表の対象として「派遣先からの情報提供義務」「派遣先の派遣労働者への教育訓練・福利厚生」の違反が追加されています。

いずれも、派遣先が公表対象となるので、派遣事業をしていない会社の場合でも、派遣労働者を使用している場合は注意が必要です。

 

以上です。

実務への影響は項目によってまちまちですが、実は実はで今回の派遣法はかなりの大改正となっているため、見落としや対応遅れがないよう気をつけましょう。

改正は何事もなければ来年の通常国会中、施行は平成31年4月1日予定です。

今日のあとがき

1985年生まれのわたしはゲームと言えばファミコンよりスーファミです。

なので、ミニスーファミはとても気になってたのですが、今回は予約失敗の悪夢に見舞われました。

というのも、穴場だと思ってた、実際めちゃくちゃ穴場でニンテンドースイッチも発売前に予約できた近所のエディオンが、何をとち狂ったのか今回から「予約抽選」という形式に変えていたんですね。

てことは、確実に手に入れられるわけではないわけです。

しかも、それを知ったのは予約日当日。

こっちの心境としては「だったら、他の店に朝早くても並んで予約しに行ったよ」という話なんですが、それも後の祭り。

案の定、抽選には外れ、だったらもういい、とその場では思いつつも、その後もネット・リアルを問わずさまよい歩いてたのですが、昨日ついに大須の某ゲームショップにて定価で発見。

うれしさのあまり即買いして、仕事終わりにちょっとだけ遊んでみましたが、やっぱりいい。

特に昔のゲームは、最近のゲームにありがちなくそ長いチュートリアルがなく、いきなり遊べるのがまどろっこしくなくていいですね。

ニンテンドースイッチのマリオオデッセイも買ったので、今週末はひたすら引きこもろうと思ってます

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。