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SEO目的でwixが使えないたった1つの致命的な理由

2015年10月25日

無料で素人でも簡単にHPが作成できるサービスのwix。わたしもドメイン取得したり有料会員になったりで2年くらい使ってきましたがついにさよならして、この度他のサービスに移行しました(移行のついでに2つに分けていた事務所のウェブサイトとブログも統合)。さよならついでにwixについていろいろ書いてしまおう、というのが今回の記事。

ネットにはwixについての使用感に関する感想記事が少なく無いですが、どれもこれも「サッと触って、じゃあ記事にするか」みたいな使い込んでない方の記事が多い(もちろん例外はありますが)。しかし、今回はwixを割りとガッツリ使ってきた(愚かな)人間によるwixのレビューなので、wixの使用を考えてる方にはかなり役に立つと思いますよ。

 

wixの致命的な点

記事を増やそうとするとエディタが重くなる

wixについてご存じない方に簡単に説明しておくと、wixというのは専門的な知識なしでデザイン的に優れたウェブサイトを作成できるサービスです。というのも、このwixではウェブサイトの作成にHTMLやCSSを使用せず、クラウド上で、パワーポイントのような専用エディターでオブジェクト配置ができるからです。おかげで、直感的なウェブデザインが簡単にできるわけです。

そんなwixとなぜさよならしたかというとその理由はただ1つ、SEOに全然使えないから。

もちろん、SEOの本質は今や小手先のテクニックやバックリンクなどではなく、コンテンツ重視になってきているのはわたしも百も承知。また、SEO対策の定番とも言えるメタキーワードなどのSEO対策に関わる機能はwixのエディタに標準で搭載されています。

でも、使えない。

なぜなら、このwix、ページ数が増えれば増えるほどエディタが超ーーーーーー重くなるから。

 

まともに記事が書けない

もうね、経験者は語りますけど、エディタが重くなるとウェブサイトの更新なんてまともにできません。テキスト打っても十秒以上文字が出こないなんて日常茶飯事。オブジェクトをほんのちょっと動かそうにも、なかなか反応しない。なかなか反応しないからといって焦って動かすと、あさっての方向にオブジェクトが移動、またやり直しがエンドレス。

重くなる目安は大体100ページくらいからですが、SEOを考えると最低でもその10倍はページ数がほしい。無料ならわかるけど、有料でもこれです。

(wixにはページ内にブログを置くオプションも有りますが、わたしは使わなかったので、ブログの記事数が増えると同様にエディタが重くなるかどうかは不明です)

 

量を増やせないのはSEOにおいて致命的

もちろん、SEOではコンテンツの中身がきちんとしていることは大前提ですが、量から質が生まれるというグーグル様の格言もある以上、量の面で首根っこを押さえられてしまうwixはSEO面では非常に苦しいわけです。

ページ数を減らせば動作は軽くなるものの、この時点でSEOにwixを使う、という頭はなくなってしまい、末期には放置気味でした。

また、wixで作られたサイトは、最初にページにアクセスした時に、そのサイトのすべてのページを読みこむ仕様のため、サイトに入る時のアクセス時はとにかくページが開くのが遅い。エディタ同様、こちらもページ数が増えれば増えるほど遅くなりますが、こっちは比較的ページ数が少ないうちからそこそこの遅さ。当然、来訪者の満足度はダウンしていたことでしょう。

 

wixがイケてないその他の理由

それ以外にもwixには問題があります。

 

①レイアウトが崩れることがある

エディタで作成しているページと実際のHPのレイアウトに多少の誤差があるのはしょうがない。その誤差も含めて作成すればいいだけです。しかし、作成環境では完璧な見た目になる、というのはある意味当然にしても、それ以外の異なる環境下での臨機応変な対応能力が低いのか、事務所のPCでは大丈夫なのに、家のPCではレイアウトが崩れるみたいなことも割りとあります。

特に顕著なのは、配置したテキストの最後の1文字だけ改行されてしまう案件。これは特にわたしが使い始めた2年前とか1年半前に多かったのですが、今でもたまに起こり、直せるときもあればできないこともあり、後半は諦め気味でした。

 

②融通の聞かない専用エディタ

例えば、今のワードプレスでのウェブサイトでは、ヘッダー画像はサイトのトップページでしか表示されません。そういうふうに設定してあります。しかし、wixではそういうことができない。

やろうと思うとヘッダーにヘッダー画像を放り込んで、ページ設定からヘッダーとフッターを表示しない設定にしないといけない。そうなると当然、ヘッダーに入ってるサイト名だったりメニューだったりも消えてしまう。

wixって結局、「やれるんだけど、やろうと思うと手間がかかる」ことが多すぎるんですよ。

他の例で言えば、wixではサイドバーの設定はありません。サイドバーを置きたかったらオブジェクトを並べて自分で作る必要がある。オブジェクトの設定には「すべてページで表示する」という設定があるので、それを設定すれば確かにすべてのページで表示することができる。

 

手作業に次ぐ手作業、そして諦め

だが、しかし、です。

「すべてのページで表示する」と本当にすべてページで表示されてしまいます。表示したくないページに表示ししない、という設定がないのです。よって、表示したくないページがある場合は、オブジェクトをコピーし、それを表示したいページには貼り、したくないページには貼らない、ということをしないといけないわけです。しかも、そんななかでサイドバーの内容を変えようと思ったら、サイドバーを貼ったすべてのページでその変更を加えないといけない。やってらんねー、と言いつつ1回だけやったけど、もう二度とやりたくないくらい、それくらい辛い作業でした。

つまり、ページ数を増やせない上に、増やしたら増やしたらで管理が面倒なのですよ、wixって。

 

wixはこんな人にオススメ

ただ、フォローするわけではありませんが、wixが全く使えないかといえばそんなことはありません。たまたま、わたしの目的と合致しなかっただけで、ウェブ知識全く無しでもデザイン的にかっこいいサイトが作れるのは人によっては大きなメリットでしょう。

だから、SEOやネットからの集客など狙わず、会社のウェブサイトは会社案内程度にしか考えないのであれば、わざわざ高いお金を払ってウェブ制作会社に委託せずにwixで作ってしまってもいいかもしれません。

wixのロゴを消せなかったり、独自ドメインが使えないという制限はありますが、とりあえず無料からでも作れるので気になった方はまずはそちらか試してみてください。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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