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マイナンバー 副業

企業はマイナンバー時代の就業規則の副業ルールを見直すべき

2016/06/18

ついに(社労士にとって)運命の10月が来ましたが、マイナンバー届いた人、いますかね? あっ、でも、確か、マイナンバーの通知カードは「10月より交付」のはずだから、最速でも今日発送なのかもしれませんね。

さて、そのマイナンバーですが、よくマイナンバーにより社員の副業がバレるという話がスポーツ新聞や週刊誌に載っていますね。

アゴラでも社会問題化するのではという趣旨の記事が上がっていますが、どういう経路でバレるかまできちんとわかっている人は多くないと思うので少し説明しておくと、まず代表的なのが住民税の支払い方が会社天引きの特別徴収だと、税額が給与に比べて不自然に増えるので会社に気づかれます。(なので、普通徴収だと会社はわからない)。また、社会保険料の場合、2つ以上の会社で社会保険に入ると、それぞれの会社の給与を合算し、額に応じて社会保険料を按分する必要があるので、副業先で社会保険に入るとこれまた会社にバレます。

他にもバレる経路はありますがこれぐらいにしておいて、当然、このような取り扱いはマイナンバー前からずっとそうであり、上記のような経路でバレる可能性はあったのですが、人手や手間やコストがかかりすぎるなどの事情もあり手が回ってなかっただけ。よって、「マイナンバーによって副業がバレる」というのは厳密には正しくなく、マイナンバーによって手続が簡略化されると様々な法違反をしにくくなるので、結果として副業がバレるだけで、言うなれば本来のあるべき姿になるだけなのです。<

そもそも夜の街から人がいなくなるって言っている人たちは、夜の街の人達が払うべき税金や社会保険料を支払ってないことについてはそれを良しとしているのでしょうか? わたしに言わせれば、今までがおかしかっただけで、何でもかんでもマイナンバーのせいにするんじゃない、という話です。

副業は今後もっと増える(たぶん)

で、わたしが予想するマイナンバー時代の副業は、マイナンバーによる副業暗黒時代ではなく、副業全盛時代です。

なぜなら、まず日本全体が昔と比べて貧乏になっていて、副業しないと生活が成り立たない人が増えているからです。別にマイナンバーで日本での副業が全面禁止になるわけではないので、生活に困ってる人は税金や保険料を取られようがやらざるをえません。また、人手不足の今の時代、副業でもいいから人手が欲しい会社も増えるでしょう。

それらに加えて、今だと、規則では副業を禁止しているけど、実際はやっている人がいても見て見ぬふりする、といった曖昧な態度を取っている会社や経営者は少なくないと思います。しかし、社員の副業が完全にバレる時代がマイナンバーによってやってくると、税金や保険料の関係で会社は社員の副業を見て見ぬふりができなくなります。となると、会社として従業員の副業に対して明確な態度をとる必要に迫られます。

実を言うと過去の判例を見る限り、従業員の副業を完全に禁止するのはかなり難しくて、会社の業務に影響を与えたり、会社の競合となるような業務に就く場合でない限り、会社は副業を禁止できません。よって、会社としては従業員の副業を完全に禁止することは難しいと考えるべきで、不当に副業を禁止すれば、それこそトラブルになりかねません。

となると、会社としては、どこまで副業を許すのかといった明確なルールが必要となります。中には、「うちであなたに出せる給与は○○円までだから、もっと稼ぎたかったら他で副業しなさい」と言い出す企業も現れるかもしれません。

いずれにせよ、副業に関して明確なルールができると、曖昧なルールのときにはもしバレたら今の会社をクビになるかも、と思っていて副業に手を出してこなかった人もやり始める人も増えるだろう、と考えた結果が冒頭のわたしの結論なのです。

まあ、わたしの予想通りに行くかはともかく、今後、副業に関するトラブルは嫌でも増えるでしょうから、会社としてどうするか、今のうちからルール作りをしておいたほうが良いでしょう。

川嶋英明(社会保険労務士)

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。