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働き方改革 労務管理

労働者の「自主的な訓練」と「労働時間となる社員教育・研修」、その境目は?

政府主導の働き方改革では、労働者のキャリア形成にも重きを置いており、その一環で雇用保険の教育訓練給付金も来年1月より拡充されます。

リカレント教育等の支援のため教育訓練給付金が平成30年1月より変わります。・・・リカレント教育って何?

労働者個人が自分のキャリアアップのために自主的に行う場合、当然、会社の業務とは関係ないので、その時間は労働時間になりません。

しかし、従業員が自主的に行う訓練というのは、今の会社で行っている業務のレベルアップを目的とするものであることも少なくありません。

で、そうなってくると会社としても、そうした訓練を奨励することにインセンティブが生まれるので奨励金制度を設けて自主的な訓練をもっとしろ、と会社が労働者に言うようになってくると、今度はその訓練が自主的なものなのかどうかが怪しくなってきます。

こうした自主的な訓練と、会社としての訓練の境目はどの辺りにあるのでしょうか。

 

重要なのは「使用者の指示」の有無

これを考える上で、参考になるのが「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」です。ご丁寧に今年の1月に改定が行われています。

このガイドラインの「労働時間の考え方」というところに、労働時間と考える必要のある時間として、

参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(リンク先PDF 参照:厚生労働省)

つまり、仮に、業務に必要な学習等を労働者の方が自主的に行っていたとしても、それが「使用者の指示」に基づくものでなければ、それは労働時間ではありません。

奨励金などの制度も、あくまで、会社の指示や強制のない、自主的に頑張った人に支払われる制度であれば、その訓練中や勉強中の時間は労働時間とはならないと考えられます。

ただし、直接的な指示や強制はなくても、「黙示」、つまり、はっきりは言わず、暗黙の指示や強制があった場合、それは労働時間となり得るので注意が必要です。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。