将来的には1000円を超すとされる「最低賃金」。
その目標に向けて、今年も全国平均で25円の増額が予定されています。
この25円のアップというのは過去最高の引き上げで、同じく過去最高だった昨年よりも1円多くなっています。
わたしが主に業務を行っている東海3県でも、以下のように増額が予定されています。
県名 | 最低賃金額(予定)【円】 | 引き上げ額(予定)【円】 | 発行予定年月日 |
愛知県 | 871(845) | 26 | 平成29年10月1日 |
岐阜県 | 800(776) | 24 | 平成29年10月1日 |
三重県 | 820(795) | 25 | 平成29年10月1日 |
※ ()内は平成28年度の地域別最低賃金
資料:平成29年度地域別最低賃金額答申状況(リンク先PDF 参照:厚生労働省)
愛知だと最低賃金1000円まであと5年
愛知県民として、愛知の話を中心にしていくと、現在の愛知の最低賃金が845円ですから、
26÷845=0.03076923・・・
と、約3%ものアップ。現在凍結が続いてる消費税の2%アップよりも1%も多い。しかも、消費税と違って一度きりではなく毎年上がる。
今後1000円まで今のペースで上がっていくと考えると、
1000-871=129
→129÷26=4.96153・・・
つまり、あと5年ほどで1000円に届くわけです。
逆をいえば、今後5年間は毎年2.5~3%ほどの最低賃金額の引き上げが行われる可能性が高いと言えます。
(ちなみに、全国平均だと、今のペースであと6年。)
正社員の多い会社など、最低賃金で労働者を雇用してない会社にはあまり関係ありませんが、飲食店や小売店のように非正規の労働者が多い事業所の場合、頭の痛い問題となりそうです。
5年で15%アップ
ちなみに、最低賃金で働く労働者の賃金を引き上げつつ人件費を維持する、となると、引き上げ率と同率の3%の労働時間の短縮が必要です。
この3%の労働時間とは所定8時間で働く場合、15分の労働時間の短縮となります。
ただ、10月からの最低賃金である871円を基準に考えると、(おそらく)5年後に1000円になった場合の最低賃金額のアップ率は約15%。
所定8時間の場合で、現在の人件費を維持しようとすると1時間以上の短縮が必要となります。
これが現実的かどうかは各事業所で異なると思いますが、最低賃金で働かせる労働者に対しては、5年後までに現在の賃金の15%増、もしくは15%の労働時間短縮が必要なのはほぼ間違いありません。
最低賃金とはいわないまでも、時給が1000円を割っている労働者に関しても同様のことが言えます。
なんなら、去年、今年と、引き上げ額の記録更新が続いているので、政府の動向によって(景気といわないのは、実は最低賃金と景気に因果や相関がないから)は、もっと早く達成されるかもしれません。
最低賃金1000円は「確定している未来」
ただ、逆に言えば、まだ5年あると考えれば、この5年間で機械化・IT化などの対策が取れる会社、というのも少なくないでしょう。
最低賃金1000円はいわば「国策」なので、避けることは難しいですが、珍しく「確定している未来」でもあります。
よって、手をこまねいて見ているのではなく、今後に向けた対策を始められるうちに始めるべきでしょう。
もちろん、ご依頼いただければ、川嶋事務所もご協力させていただきます。
今日のあとがき
いろいろ忙しくて忘れてたけど、そういえば、もうマイナポータル始まってるよな、と思ってググってみたらありましたありました。
でも、早速アカウント作ろかと思ったら、
あっ。
そうだったそうだった、カードリーダーがカードリーダーがいるんだったいるんだった忘れてた忘れてた。
って、そんなの持ってる日本人何人いるんだって話し。
こんなのでマイナカードやマイナポータルの普及もへったくれもないですね。
もちろんわたしも持ってないので、しばらくスルーします。
そんなに高いものでもないけど、他に使い道がないので、ブログのネタに困ったときに買ってみます。