休み明けで頭がぼーっとしてる社労士の川嶋です。
事務所HPに「炎上対策」なんて入れてる割に最近は炎上の話題をブログで取り扱ってなかったなあ、と思っていたら、非常にタイムリーなことに「VALU騒動」という炎上案件がTwitter等で炎上中。
ただ、この騒動自体を労務管理と絡めるのはちょっと無理がありそうなので、今日はVALUと労務管理について。
この組み合わせに関しても実は結構無理があるのですが、休み明けということで(関係ない)。
普通の経営者、人事・総務の方はVALUが何かあまりご存じないかもしれないので、まずはVALUについて簡単に説明を。
VALUとは
VALUとは個人を株式会社に見立てたサービスです。
VALU(公式サイト)
VALUに自分を「上場」すると、審査の結果(審査に落ちることもある)によって、運営から一定の数の「VA(=株式)」がその人に与えられます。
株式のように本人がこのVAを保持してもいいのですが、これを一般の人に公開し、欲しい人に買ってもらうこともできます。
VAの価格は、通常の株式同様、VA発行者の人気や評判によって価格は上下するし、ユーザー同士のトレードも可能です。
VAを発行する側は、VAを高く、多く買ってもらえれば買ってもらえるほど、事業等を行う上での資金を集めることができます。
そのため、発行者は自分のVAを持っている人に何らかの優待制度を設けるのが普通で、これもいわば株主優待的な制度といえます。
ただ、通常の株式と明確に異なる点も有り、VAの取引では現金は使えず、ビットコインしか使えません。
「VAを発行する側」と「VAをトレードする側」に分けられる
このVALU、労務管理の観点で見ると「VAを発行する側」と「VAをトレードする側」の2種類に分けることができます。
まず、前者の「VAを発行する側」から行くと、VAを買ってくれた人たちに何らかの優待をするということは、いわゆる「副業」をしていることに他なりません。
ただ、他の会社でダブルワーク的に働くのと違い、基本的には自営・フリーランス型の副業となるため、細かな管理は基本不要であり、後は会社として許可・容認するかの話になります。
とはいえ、職業選択の自由などの労働者の権利から考えると、自社の業務と競合する、情報漏洩の心配があるなどの理由がない限り、安易な禁止は(就業規則に規定があったとしても)難しいと考えられます。
一方、「VAをトレードする側」の人たちに関しては、株式のトレードをしている人と変わらないので、会社が管理することは基本的にはありません。
追記:ただ、VAは株式とは似ているものの、金融商品とは言えず株式というよりは、むしろ、VAのトレードは税法上は「贈与」に当たるそうです。よって、基礎控除額(110万円)を超える金額が移動した場合は贈与税の対象となり得るそうなので注意が必要です。
また、これは「VAを発行する側」もそうですが、扱うのがビットコインである点が注意点と言えます。
ビットコインは現状、投機の対象として利用されることの方が多く、トレードの結果による利益(キャピタルゲイン)があった際は雑所得または事業所得としてみなされる可能性が非常に高いとされています。
そうなってくると、会社の年末調整にも影響があるので、会社としても注意が必要だし、混乱を避けるためにも労働者にもある程度、注意喚起しておく必要があるでしょう。
ビットコインの税務について詳しくはこちらを
ビットコインと所得税(2016年分)(外部サイト)
以上です。
VALUはまだまだ発展途上で有り、事実、現在のサービスはベータ版です。
ただ、個人が事業を行う上で非常に可能性のあるサービスであるのは間違いないと、個人的には思っています。
枕に使った「VALU騒動」も、名前が付いてしまったのでVALUのマイナスイメージ感がありますが、本来は騒動を起こした「ヒカル騒動」と言うべき代物です。
ちなみにこの騒動がどのようなものだったかについて一言で言うと「インサイダー取引」があった、と考えればだいたい合っています。
こちらのサイトで詳しく解説されているので知りたい方はどうぞ。
YouTuberのヒカルらが「VALU」で違反行為?騒動を時系列でまとめ
今日のあとがき
以前、ブログでも書きましたがわたしビットコインの口座「は」持ってます。
で、ちょっとだけ買おうかなと思ったこともあったのですが、その矢先にビットコイン分裂の噂が出始め、警戒していて、で、いざ分裂したら価格は高騰(大粒の涙)。
自分は投資に向いてない人間なんだなあと思った次第であります。