労働者派遣法の改正

2015年改正派遣法のまとめ(解説するとは言ってない)

2015年9月11日

ようやっと、本日、派遣法が改正されたので、過去に何度か書いていますが、今回の改正点を改めてまとめておきましょう。あっ、各項の詳しい説明はリンク先を見て下さいね。今回は説明というより(同じこと何回も書くの嫌だし)、わたしの意見や感想を言うのがメインなのであしからず。

 

①同一業務3年から同一労働者3年に

過去記事:派遣労働者から見た「同一業務3年」と「同一労働者3年」

未だに、この変更によって、3年で切られる派遣が増えるという誤解がありますが、間違えてはいけない。改正前であろうが改正後であろうが、派遣法にこうした期限の定めがあるかぎり、派遣は高確率で3年で切られる運命なのである。

そして、もっと間違えてはいけないのが、派遣元も派遣先も3年で切りたいなんて思っていないこと。派遣労働者を正社員にしたいと思ってないのも確かだが、切りたいと思っていないのもまた事実なのである。しかし、こうした法律があって両者を天秤にかけると、多くの企業は後者に傾いてしまうわけです。

こうした問題を解決するには派遣期間の定めをなくすしかないが、それをやると今度は「永久に派遣」とか言い出す人が出てくるわけで・・・、頭痛が痛いです

 

②派遣元に無期雇用される者は派遣期間も無期にできる

過去記事:2015年改正予定の労働者派遣法では規制は強化されている

3年で切られることを考えると、派遣元(派遣会社)とは言え無期で雇ってもらって、しかも、派遣先も派遣される労働者が変わらなくて業務の継続性も維持できる、みんなの利害が一致しているはずなのに、これまた「永久に派遣」の批判が。

君たち(朝日新聞や中日新聞、民主党などの野党)はあれか? ユダヤ人を迫害したナチスのように派遣労働者を絶滅させないと気がすまないのか? だったら、ワークシェアリングの1つでもしてやれよって話。自分の意志で選んで派遣という労働形態を選んでいる人たちの気持ちを踏みにじってるのがわかんないんですかね。

 

③特定派遣の廃止

過去記事:特定派遣が廃止されることの意味

小規模の事業主でもできた特定派遣が廃止され、一定の資産要件をクリアしないと許可が取れない一般派遣に一本化。これにより、特定派遣で働いてた人たちは職をなくすということだけど、彼らは(朝日新聞や中日新聞、民主党などの野党)、それはいいの? あと、これは大規模の派遣事業者への利益誘導ってことでOK?

まあ、特定派遣では派遣法違反が多かったって事情はわかるけど。

ちなみに特定派遣は3年の経過措置後に廃止となります。

 

④専門26業種の撤廃

過去記事:2015年改正予定の労働者派遣法では規制は強化されている
「同一業務3年」の縛りの範囲外だった専門26業種を廃止。もともと、26業種をポジティブリスト方式で厚労省が選定するっていうのがそもそも無理があったので、撤廃することはやぶさかではないのですが、それだったら、専門26業種のルール、すなわち派遣期間の制限撤廃を全体化すればいいのに。

⑤特定有期雇用派遣労働者の雇用安定措置

過去記事:特定有期雇用派遣労働者の雇用安定措置について

厚労省大好き「期限が来たら○○しろ」系の法改正です。そんな法律作ったら、期限が来る前に何とかしちゃうに決まってるのにね! 法律でなんとかできるわけねえだろ、って話です。

以上です。

 

わたしは決して今回の派遣法改正に賛成というわけではないのですが、①については改正前よりはマシといった感じです。

それよりも、派遣を悪者扱いして正社員だけが正しい働き方、みたいな価値観をまき散らすメディアの報道姿勢には正直うんざりです。そんなんだから正社員をダシに人を集めてこき使うブラック企業がなくならないんですよ、と言いたいですね。

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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