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マイナンバー 法改正

行政がマイナンバー(わたしたち)を覗くとき、マイナンバー(わたしたち)もまた行政を覗いてる

2016/04/20

まだ、マイナンバーの本格運用前ですが、法改正により、マイナンバーと年金との連結の延期と、マイナンバーと銀行口座の連結が決まりました。

これにより、国民の資産情報を始めとする個人情報が国に筒抜け、丸裸になるという、マイナンバーに対するもっとも大きな懸念が現実化したと言えます。

ただ、厳密に言えば、今だって正当な理由があれば税務署は国民の銀行口座を本人の承諾なく調べることができます。逆に言えば、法律上の根拠や正当な理由なく調べることはできず、それは、今後、マイナンバーと銀行口座が連結されても同じです。

なので、より正確に言えば、国はもともと国民の資産情報を丸裸にすることができたが、マイナンバーによって丸裸にするスピードや正確性が上がるというだけです。マイナンバーが行政を脱がし上手にするわけです(!?)。

・・・、少なくとも、銀行口座の振込や引き出しの動きや残高のすべてを、銀行が逐一国に対して伝える、という法改正ではないわけです。

これはマイナンバー全般に言えることです。

マイナンバーでは、どこかの役所が「こういう情報がほしいのでください」と言わない限り、他の役所が自発的に(勝手に)、その役所に情報を与えるということはありません。

例えば、現行の法律では住民票の移動の手続きをを市町村役場にしても、年金機構が社会保険上の住所変更を行うということはありません。年金機構からの要請がない限り、市町村役場は年金機構にマイナンバーを通じてそうした情報を提供することはできないからです。

情報提供ネットワークシステムを活用せよ

それでも、行政なんて信用ならん、という方はぜひ、平成29年1月以降に稼働予定のマイナポータブルを活用しましょう。

行政同士で、マイナンバーを通じて情報の提供が行われる場合、必ず情報提供ネットワークシステムというものを経由することになります。間違っても電話やメールで「このマイナンバーの人の○○教えてよ」みたいな感じで情報がやりとりされることはありません。

また、情報提供ネットワークシステムは単に役所同士を中継するだけでなく、ある役所が手続のために求めるAという情報が本当にその手続に必要なのかどうか、法令上正しいかどうかも判断します。つまり、マイナンバーによる情報提供を受ける場合、情報提供ネットワークシステムによる審査を通らないといけないわけです。

そして、情報提供ネットワークシステムには、どこかの役所が他の役所にマイナンバーを使って情報を提供したという記録(ログ)をすべて残ります。勘違いないように言っておきますが、残るのは「やり取りとしたという記録」であって、「やり取りした記録の中身」ではないことです。特定記録郵便を出すと、郵便局に郵便の記録は残るけど、郵便の中身は残らないのと同じですね。

実はマイナポータブルではそのログを確認することができます。

例えば、税務署がマイナンバーを通じてあなたの銀行口座を調べた場合、マイナポータブルを確認すれば調べられたという記録を確認することができます。

これは他の役所も同様なので、仮にどこかの役所の誰かが情報提供ネットワークシステムの網をかいくぐり違法な形でマイナンバーによる情報提供を受けた場合でも、その記録はマイナポータブルに残ってしまうわけです。

情報提供ネットワークシステムについて詳しくはこちら(リンク先pdf)

行政がマイナンバーを覗くとき・・・

「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」というのはニーチェの言葉ですね。

まあ、個人的にはこの名言をオマージュしたと思われるベルセルクの「闇を覗くとき、闇またこちらを覗いてる」の方が馴染みがありますが、これと同じように、国がマイナンバーを通じてわたしたちの情報を覗くとき、わたしたちもまた相手がわたしたちのどんな情報を覗いているかを覗くことができるのだから、法律を守ってきちんとしていれば、それほど気にする必要もない気がします。

どうしても気になる方は、朝から晩までマイナポータブルを覗いていてください。

まあ、あまりに動きがなくて、国は自分の情報になんか興味が無いんだとがっかりすることになるかもしれませんが。
 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。