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年間上限720時間となる時間外労働の上限規制とは?(2017年07月12日ver)

2017/07/20

時間外労働の上限規制について、どのような法律にすべきか7月12日の労働政策審議会労働条件分科会で報告が行われました。

時間外労働の上限規制等について(報告)

今回はこれを基に時間外労働の上限規制の制度がどのような制度になるのか見ていきたいと思います。

 

原則は限度時間以内の残業

新しい制度になっても残業をさせるのに36協定が必要なのは変わりません。

限度時間があるのも同様です。

ただし、現行の限度時間は厚生労働省の「告示」という、法的な拘束力のないもので決まっていますが、上限規制ではこれを法定化。罰則もつきます。

さらに、今まではほとんど使われてない単位でも限度時間が定められていましたが、今後は「1ヶ月及び1年」に限定。

ちなみに、1年単位の変形労働時間制を使う場合とそうでない場合に限度時間に違いがあるのはこれまで通りです。

現在の限度時間

期間区分 原則 1年単位の変形
1週間 15(時間) 14
2週間 27 25
4週間 43 40
1ヶ月 45 42
2ヶ月 81 75
3ヶ月 120 110
1年 360 320

変更後の限度時間(予定)

期間区分 原則 1年単位の変形
1ヶ月 45 42
1年 360 320

時間外労働をさせる場合、原則はこの限度時間内で働かせることになります。

 

限度時間を超える場合の4つの規制

現行制度では、限度時間内に業務を終わらせることができない場合、36協定に特別な条項を付けることで、臨時的な場合に限り、限度時間を超えることができます。

新しい制度でも同様ですが、これまでのように無制限というわけにはいきません。

具体的には、以下のような規制が行われ、違反すると罰則があります。

  1. 年間の上限となる時間外労働は720時間まで
  2. 休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80 時間以内
  3. 休日労働を含み、単月で100 時間未満
  4. 限度時間を超えられるのは年6回まで(現行制度と同じ)

 

3により単月での時間外労働の上限は100時間未満となりますが、2があるため毎月95時間、のような働かせ方はできません。

また、メディア等で、年間上限720時間のことを年平均60時間と表現することがありますが、現行制度同様、年6回しか限度時間を超えられないので、必然、毎月60時間の残業をさせられるわけではないので注意が必要です。

 

法定労働時間を含めるもの、含まないもの

このように、上限規制には4つの労働時間の天井があります。

おさらいのために、もう一度、以下にまとめておきます。

  1. 限度時間
  2. 年間上限720時間
  3. 休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80 時間以内
  4. 休日労働を含み、単月で100 時間未満

 

少し複雑なのは、限度時間と年間上限720時間には法定休日労働の労働時間は含まないのに対し、「2ヶ月から6ヶ月平均80時間」と「月100時間」では法定休日労働の労働時間を含むという点です。

よって、限度時間45時間の月であっても、1日10時間の法定休日労働を4回とかさせると、計85時間となり、「2ヶ月から6ヶ月平均80時間」と「月100時間」の規制に引っかかる可能性がでてくるので注意が必要です。

逆に言うと、法定休日労働を利用すれば限度時間内で労働時間を抑えないといけない月でもそれを超えて労働させることができてしまうことになります。

法定休日労働の労働時間を含まない 法定休日労働の労働時間を含む
限度時間

年間上限720時間

2か月ないし6か月平均で80 時間以内

単月で100 時間未満

 

以上です。

報告では、施行までには十分な準備期間を設けるとしているため、まだまだ猶予はあると思いますが、残業は減らそうと思って急に減るものでもないと思います。

早め早めの対応を心がけましょう。

今日のあとがき

過去にも上限規制については何度も書いているのですが、そのときは未確定なことも多い中でいろいろ書いていました。

それもあり、今となって読みづらい部分も多いと感じたので今回は比較的シンプルに上限規制の内容をまとめてみました。

ただし、まとめはしたものの、まだ法改正前なので今回のは「2017年07月12日ver」。

今後も変更の可能性はあるので、その点ご了承を。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。