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労務問題

「永遠の若手」はいつか会社を去る

2016/04/20

水曜どうでしょう」というわたしの大好きなテレビ番組があります。俳優でタレントの大泉洋の大出世作で、もともとは北海道ローカルの番組ながら、日本全国に熱狂的なファンがいる番組です。

この番組は基本的に、大泉洋と彼の所属するタレント事務所の会長である鈴井貴之、そして、番組ディレクターとカメラマンの4人が日本や世界の様々な場所で企画を行う旅番組なのですが、ほのぼのな雰囲気はあまりなく、過酷なロケの中で大泉洋と番組ディレクターの言い合いを楽しむ番組となっています。

実は上記の4人の中で最も年下なのが大泉洋です。番組開始当初大学生だった彼ですが、現在は40歳を超え、その人気は全国区、にもかかわらず、その年齢を理由に、彼には番組内では何かと損な役が回ってくることが多いのですが、それを彼は、自分がどんなに有名になっても水曜どうでしょうの中での自分は「永遠の若手」と自称し、様々な文句を言いながら、そういう状況を笑いに変えています。

実はこうした水曜どうでしょうの大泉洋のような立場の労働者、中小企業には少なくありません。特に規模は小さいながら、会社の歴史がある程度長い会社に多い印象です。

一般的なイメージでは、中小企業は離職率が高く人材の流動するサイクルが早いと言われています。統計データでもそうした傾向がはっきり出ているので実際そのとおりなのでしょうが、ただ、先程述べたような労働者の数があまり多くない、けれど、ある程度歴史のある会社や事業所というのは、そこで働く労働者のメンバーが固定化されていて、労働者の動きもほとんど無い、というのが、実際に社会保険労務士として中小企業の入退社の手続きをしている人間の実感です。

そうした普段入退社の動きのない、メンバーが固定化された企業に新人として入社すると、その新人はいつまでたっても後輩ができず、その会社の一番下として働かざるを得なくなります。時間とともに仕事を覚え、他の労動者と遜色ない働きができるようになっても、です。「永遠の若手」の誕生ですね。

しかし、水曜どうでしょうを辞めない大泉洋のように、そうした「永遠の若手」がいつまでも会社に残ってくれるわけではありません。入社して間もなくならともかく、仕事を覚えた後も、いつまでたっても雑用させられたり、重要な仕事が回ってこなかったり、あるいは他の昔からいる高齢労動者よりも仕事ができるのに給与が年功制なので彼らより低い、などなどの場合、むしろ、一番辞める可能性が高いとさえ言えます。

永遠の若手が1年なり数年単位で入れ替わってもやっていけるならそれはそれで問題ないでしょう。むしろ、昔からそこにいる労働者からしたら、自分たちの地位が脅かされることもなく割と快適かもしれません。

しかし、会社の将来を考えた時どうなのか、という疑問はあります。下の方の(基本的には)若い労働者から辞めていく風土の会社では、年月とともに会社の平均年齢は上がり続けるわけですからね。そんな若い人が全くいないような会社で、社長も歳だしそろそろ世代交代をしていこうとして果たしてうまくいくでしょうか。勤続年数の長い高齢労働者に囲まれて二代目は上手くやっていけるでしょうか。

近年の人手不足で、中小企業では若い人がなかなか採れない状況にあります。求人を出してもろくな人が来ないというより、そもそも求人を出しても誰もやってこないというレベルで、です。質はともかく人が来てくれる時代なら、どんなに辞めても、そのうち1人くらいは残ってくれる人もいたかもしれませんが、そういう次元の話では今はもうないわけです。

よって、この会社は自分の代で終わり、と考えているわけではないのなら、今後、会社を永続的に残していくため職務給や成果主義といった若手が「永遠の若手」とならないような人事制度を模索する必要があるかもしれません。

とりあえず、まずは自分の会社に最後に人が入ったのはいつだったか、そして、その人は今どんな仕事をしているか一度確認することをお勧めします。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。