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「労働者よ、無駄な抵抗はやめろ。おまえのマイナンバーは地方自治体が教えてくれる」

事務とか経理、総務以外の労働者の方は知らないかもしれませんが、だいたいこの時期になると各地方自治体から会社に「特別徴収税額決定通知書」というものが送られてきます。

いわゆる住民税額の通知書ですね。この通知書に基づいて会社は労働者の給与から住民税を天引きするわけです。

これが送られてくるのがだいたい5月から6月なわけですが、この「特別徴収税額決定通知書」に今年からマイナンバーが記載されております。

わたしの住んでいる名古屋市や仙台市など一部地方自治体では記載を取りやめたようですが、多くの自治体では記載されている上、「普通郵便」で送られてくるところもある始末。

あのー、こっちは漏洩しないように設備投資したり、郵便事故によるマイナンバー漏洩リスクを考えて、簡易書留とかクラウド使ってるんですよー。

 

特別徴収税額決定通知書にマイナンバーが!

どうして特別徴収税額決定通知書にマイナンバーが記載されるのが問題かというと、実は通知書には「会社にマイナンバーを提出してない人」のマイナンバーも記載されて送られてきています。

マイナンバーは地方自治体が発行しているので、誰がどの番号かなんてお見通しですからね。

ただ、これは現段階でも会社にマイナンバーを提出してない労働者からすると「おいおい、地方自治体、勝手に会社に自分のマイナンバー教えるなよ」という話なわけです。

逆に会社からすると、いつまで経ってもマイナンバーを提出しない労働者に対して「労働者よ、無駄な抵抗はやめろ。おまえのマイナンバーは地方自治体が教えてくれる」と言えるかというと、実はそうでもありません。

 

記載されてても百害あって一利なし

特別徴収している労働者が対象なので、そもそも住民税を普通徴収(会社ではなく労働者が直接払う)にしている労働者に関しては結局わからないというのがまず一つ。

もう一つあるのが、教えてもらったところで会社はそれを他の手続きに使えない点。

マイナンバーを収集してそれを手続きで利用するには、相手に利用目的を伝えた上で番号確認と身元確認をしないといけない上、新たな利用目的ができた場合は改めて番号収集し直さないといけないからです。

地方自治体に教えてもらった番号はそうした手続きを経ていないので使えず、教えてもらったところで困るわけ。

会社の方は間違っても特別徴収税額決定通知書に書かれたマイナンバーを、例えば雇用保険の届出とかに書くのはやめましょう。

もっと言うと、自社にマイナンバーを管理する余裕がないので、マイナンバーの保管等に関しては外注している会社もあるわけですが、そういうところにもマイナンバーが届いてしまうのでこれまた迷惑。

使い物ならない割には、住民税の税額が書いてあるからむげにも扱えないのも、なんというか邪魔。

 

問題は以前から指摘されていた

正直誰も得しない特別徴収税額決定通知書へのマイナンバー記載ですが、どうしてこのような扱いになっているかというと総務省令でそう決まってるから。

送るのに普通郵便を使ってるのは、役所が危機感なくて予算ケチってるからですが、マイナンバーを記載していること自体は法令に載っているというわけです。

(誰だ、こんな誰も得しないしょうもない省令作った奴!)

()の中は心の声なので誰にも聞こえてないと思いますが、一応言っとくと、わたし、マイナンバーについては基本的に賛成人間で、社労士の手続き業務なんてマイナンバーと一緒になくなれと思ってるんですが、だからこそ思うわけですよ、どうしてこういうバカげたことやるんですかね、と。

しかも、今回の問題って特別徴収税額決定通知書が発送されて初めて発覚したとかじゃなくて、結構以前からこういう事が起こるのでは、と指摘されていた問題なんですよ。

それがそのままずっと放置されるっていうのは、致命的なバグを残したままゲームが発売されるようなもの。

最近のゲームは発売されてからでもバグはアップデートでなんとでもなるようになってますが、アップデート前に失った信用や評価って簡単には取り返せないんですよね。

賛成とか反対の前に、行政のマイナンバーの扱いにはもううんざりです。

 

今日のあとがき

そう、うんざり。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。