今月1日に「労働者災害補償保険法施行規則等の一部改正」の諮問と答申が行われ、労災保険の施行規則の一部改正が決まりました。
そのなかに、「マイナンバーの利用による事務手続の簡略化」というものがあったので気になって見てみたら、今後はマイナンバーを労基署に提出しておくと、労災関連の年金の請求等で必要となる「住民票の写し」の添付が必要な書類に関してはその添付が免除されるようになるとのこと。
労災関連の年金というのは主に遺族補償年金で、被災者と遺族の家族関係の証明に使われます。
で、マイナンバーで住民票の添付省略されるって、どこかで聞いた話だなあ、と思ったら、日本年金機構がそうでした。
こうした動きを見る限り、行政によるマイナンバーの活用法は、まずは住民票添付の省略から始まっていくようですね。
本来であれば、年金申請の際に必要となる雇用保険の被保険者証の添付や、労災の年金と社会保険の年金の併給の際に必要となる資料とかだって、マイナンバーで役所がツーツーになれば省略できるはずですが、その辺はおいおい、ということなのでしょう。
その他の施行規則改正内容
ちなみに、今回のマイナンバーの活用による事務手続きの簡略化に合わせて、請求書唐の様式がそのことを謳ったものに変更となるほか、われわれ社労士の氏名等の記載欄もつくようになるそうです。
また、今回の施行規則の改正で変更が行われた部分はマイナンバーの他に、介護(補償)給付(労災により介護が必要になった人に支給される給付)の「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法」に基づく介護料の最高限度額および最低保障額の引き上げが行われています。
改正された労働者災害補償保険法施行規則等は平成29年4月1日施行予定です。
今日のあとがき
介護給付や炭鉱公害は結構なレアケースですし、会社や社労士が労災事務の代行目的でマイナンバーを収集できないこともあり、正直今回の施行規則の改正はどれも人事労務にはあまり影響はありません。
ですが、マイナンバーに関しては活用が着々と始まっているんだよ、というのがわかる改正だと思うので、今後の制度の発展を観察する上でも、なるべきこうした動きは追っていきたいと思っています。