名古屋で就業規則作成するなら社会保険労務士川嶋事務所

名古屋市営地下鉄名城線、西高蔵駅から北へ徒歩3分、国道19号線沿いの社労士事務所

労務問題(時事) 労務管理

勤務間インターバル制を会社に導入する際に決めるべき5つのこと

インターバルというと陸上のイメージなのでこんな画像を

インターバル制について取り上げることが多い日経新聞ですが、今日もこのような記事が出ていて、Twitterのトレンドになっていました。Twitterのトレンドになる、ってことは、労働者側にそれだけ潜在的な需要がある、と考えるべきでしょう。

インターバル制 導入機運  ユニ・チャームや三井住友信託 退社→出社に一定時間確保

加えて、昨年の総選挙では各党がインターバル制の導入を公約に掲げています。

一昨年から(!)予定されている労基法の改正が遅々として進まないので、インターバル制の法制化はまだ時間がかかるかもしれませんが、ただ、来年度からは導入企業に助成金が付く予定ですので、先行して導入し従業員の満足度を高めるのも手でしょう。

とはいえ、今まで馴染みのなかったインターバル制を初めて導入するとなると、何から手を付けていいのかわからない事業所も多いでしょう。

今回は現行の法律でインターバル制を導入する際に気をつけるべきことを解説していきたいと思います。

 

 

1.インターバルの時間

まずはなにより、インターバルの時間を何時間とするか決めないといけません。

すでに法制化されているEUでは「11時間」が最低限のインターバルとなっていますが、日本では法制化されていないので、11時間以下にすることも可能。

上記の日経新聞によると、多いところで12時間、少ないところで8時間となっています。

ただし、来年度のインターバル制の助成金では最低時間が定められると思われるので、急いでいないのであれば、助成金の詳細の発表を待ってそちらに合わせるのも手でしょう。

 

2.適用範囲

会社内の誰に適用するか決めないといけません。

会社の従業員全員に適用するのか、あるいは一部の人には適用しないのか、といったことを決める必要があります。また、社員の行っている職務によってインターバルの時間を変更する、ということも運用上考えられます。

 

3.始業時間

例えば、就業時間が8時ー17時(休憩1時間)の会社で、インターバルの時間を11時間に設定したとします。

この場合、ある労働者が、夜の10時まで仕事をした場合、インターバル制により、始業時刻は8時ではなく9時、もしくはそれ以降となります。

ここまではいいでしょう。

ただ、残業した場合の終業時刻というのは往々にして、午後9時54分とか午後10時7分といったように端数が出ます

こうした場合の翌日の始業時刻をどうするか。

そのままやる、というのが一つ目の方法。上記の例の場合、午前8時54分や午前9時7分を始業時刻にするわけです。

ただ、翌日の始業時刻が中途半端になったり、労働時間の管理が面倒、と思う場合に、この端数時間を切り上げるのがもう一つの方法です。

要するに、午後10時7分に仕事が終わったのを、インターバル制の上では10時15分や10時30分、あるいは午後11時とみなして、翌日の始業時刻を午前9時15分や9時30分、午前10時といったように切りのいい数字から始められるようにするわけです。

午後10時7分の7分を切り捨てて、午後10時とみなして翌日の始業時刻を午前9時にするのはダメなのか、というと、法律がないのでダメと言うことはないと思いますが、インターバルの11時間より7分短くなってしまうことになるのであまりいいとは言えないでしょう。少なくとも、法制化された場合はアウトになる可能性が高いと思った方がいいです。

 

4.休憩時間

始業時刻がズレた場合、休憩時間についても考えないといけません。

通常の休憩時間に休憩を取る、というので、基本は問題ないと思いますが、問題は始業時刻が休憩時間にずれ込んだ場合ですね。

その際の休憩時間について、規則に定めるのか、労働者に任意に取らせるのか、所属長が決めるのか、決めておいた方が良いでしょう。

また、インターバル制によって1日の就業時間が6時間未満となった場合、休憩を取らせるかどうか、といったことも決める必要があります。

 

5.終業時刻

始業時刻がズレた場合の終業時刻についても考える必要があります。

要するに、始業時刻がズレたのだから終業時刻もズラすのか、それとも始業時刻はズレても終業時刻はそのままなのか、です。

前者の場合、連日残業が続くと始業時刻と終業時刻がどんどん遅くなってしまうことが考えられ、後者の場合、1日の就業時間が極端に短い日ができる可能性があるので、この辺は会社ごとの判断ですね。

また、上記2つの間を取るような方法として、始業時刻からインターバル制分の時間前の時刻を第二終業時刻にする、という方法も考えられます。

上記の例で言うなら、始業時刻の午前8時の11時間前となる午後9時を第二終業時刻扱いとする。

そして、インターバル制により始業時刻が午後2時くらいにまでずれ込んでも、その日の終業時刻は9時間後の午後11時ではなく午後9時とする扱いです。

残業せざるを得ない場合はそれ以降もやってもいいけど、そうではなく帰れるのであれば午後9時に帰っていい、というのが第二終業時刻。これにより、ずれ込んだ始業時刻と終業時刻をリセットしやすくなるはずです。

 

以上です。

インターバル制は、終業時刻と始業時刻のあいだを一定時間空ける制度であり、考え方としては非常にシンプルなのですが、始業時刻がズレるとあらゆることがズレてくるので、意外と考えておかないといけないことが多いことはわかってもらえたのではないでしょうか。

もともと残業の少ない事業所の場合、はっきり言って「インターバルの時間は○○時間とする」と就業規則に入れておけばほとんど問題にならないはずですが、そうではない場合や、労働者の就業時間が不規則になりがちな会社の場合、上記のような点をきちんと決めておいた方が後々問題になりにくいはずです。

 

 

今日のあとがき

インターバル制は法制化されてないこともあって、基準となるものがなかったり、何に気をつけたらいいのかまだまだわからない方も多いと思って書いたのが今日の記事。

今日の記事はあくまで、現行の法律でできるインターバル制、ということで、わたしなりに考えたものですが、来年度のインターバル制の助成金の概要が発表されると、「国が求める」インターバル制の中身も見えてくるはずなので、そちらにも注目していきたいと考えています。

 

 

The following two tabs change content below.
名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。