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社会保険

役員と従業員の労務管理に関する法律上の違い③社会保険法

みなさんこんにちは社労士の川嶋(@Hideaki_KWSM)です

昨日一昨日と解説してきた、役員と従業員の違いについて、今日が最後です。

最後は社会保険の適用についてです。

 

会社法上の役員かどうかは関係ない

まず、

労働法や、労災・雇用保険については、会社法上の役員かどうかが重要でしたが、実は社会保険ではそのあたり、全く考慮しません。

なぜなら、社会保険では会社などの事業所に「使用され」「労務の対償として報酬を得ている者」を被保険者としています。

そして、社会保険では会社法上の役員というのは、会社という法人に「使用されている」と考え、また、役員報酬は「労務の対償としての報酬」と考えるからです。

そのため、会社法上の役員でも社会保険に加入できるわけです。

当然、会社法上の役員以外の場合、契約上は労働者と変わらないので社会保険に加入できます。

また、兼務役員の場合、雇用保険や労働保険のように、役員としての報酬と労働者としての賃金を分けて考える必要もありません。

どちらもまとめて「報酬」と考え、社会保険料の計算等に用いる「標準報酬月額」を算出するからです。

 

個人事業主と会社役員

このように社会保険は基本的に会社の役員、それこそ代表取締役であっても加入できるわけですが、実は、個人事業主の場合は加入できません。

というのも、会社役員は「会社という法人に使用されている」とかんがえられる一方で、個人事業主は誰からも使用されていないからです。

個人事業主の場合、常時使用する従業員が5人以上となると、社会保険は強制適用となりますが、その場合も個人事業のままだと、個人事業主は社会保険に加入できないわけです。

 

常勤か非常勤か

それでは、会社の役員であれば誰でも社会保険に加入できるのか、加入しないといけないのか、といえばそういうわけではありません。

会社役員には定期的に、というよりは常に会社に出社する常勤の役員と、不定期に、用事のある時だけ出社する非常勤の役員がいます。

常勤の場合は社会保険に加入する必要がありますが、非常勤の場合は加入する必要が無いとされています。

これは短時間労働者が通常の労働者と比べて4分の3(特定適用事業所の場合、週所定労働時間20時間)未満の場合、社会保険に加入できないのと似ていますね。

しかし、常勤か非常勤かというのは、法律上明確な基準がないため区別が難しい。

労働者と違って、役員の場合、そもそも「労動時間」や「出勤日数」といった概念もありません。

 

非常勤かどうかの判断

非常勤かどうかの判断は以下の項目を元に総合的に判断します。

  • 出勤状況
  • 経営への関わり
  • 役員としての業務執行権の有無
  • 役員会議への出席義務の有無
  • 報酬額

これらを総合的に判断すると、社会保険上の非常勤役員というのは、「出勤は不定期、経営へ関わる度合いは常勤に比べて小さく、報酬額もほかと比べて少ないのが普通」、という考えかと思われます。

いずれにせよ、名目的に「非常勤役員」ということにしておけば社会保険に加入しなくてもいい、というわけではなく、実態が重要ということです。

 

以上です。

 

過去3回を簡単にまとめると、

  • 労働法、労災保険法、雇用保険法は会社法上の役員かどうかが重要
  • 社会保険は常勤か非常勤かが重要

ということになります。ご参考になれば幸いです。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。